「物を買っても幸せにはなれない!」と主張する研究は多いのですが、2014年にベイラー大学が出した論文(ソース)は、「物質主義が不幸をもたらす理由」について踏み込んでいます。
これは246人の被験者を対象に、彼らの物質主義のレベルと幸福度の高さについて調べた研究です。
すると物を買うのが好きな人ほど、日常の喜びが少なくて、結果として人生の満足度も低かった、という結果になっています。
で、この理由について研究者は、
” 人間は新しい環境へ簡単に適応する能力を持っています。これが、物を買っても幸せになれない理由でしょう。
より多くの物を持ったとしても、たんに欲望のハードルが上がるだけだからです。
大きな家を買ったとしても、その家のサイズにすぐ慣れてしまい、より大きな家を探すようになります。
この現象は、消費のトレッドミルと呼ばれます。いくら物を買っても、トレッドミルのスピードを上げているだけなのです。”
体重のセットポイント(脳がつねに一定の体重を保とうとする仕組み)と似ていて、人間の脳にはつねに一定の幸福感を保とうとするシステムが備わっているということです。
また、物を買うことに囚われると、いまは物を持っていない自分に意識が集中してしまうため、どんどん幸福感が減ってしまうらしいです。
で、この問題を解決すべく研究者が提案しているのが感謝の気持ちを持つことです。
” 人生に対して、もっとも満足度と幸福感をもたらすのは感謝です。これは、他人との関係性に関する感情です。
これまでの調査によれば、人間は他者を助けるほどやる気が出ることがわかっています。
私たちは社会的な生物ですから、他者に対してポジティブに関わるのが一番いいのです。”
ということで、物に執着して、皆が持っているものを持ってないと気が済まない状況になっているとやばいです。
残念ながら物では幸福にはなれないということですね。
私も最近観葉植物に凝りすぎて、あれもこれも欲しいと思っているので、要注意です。