ネガティブな感情を処理する感情の擬人化とは?

ストレス解消法として、 「インサイド・ヘッド」という映画がおすすめです。この映画は、人間の感情の働きをうまく可視化しているので、自分の心の動きを客観的に見つめるのに役立ちます。

2019年に出たデータ(ソース)は、この「インサイド・ヘッド」から着想を得た内容になっています。

論文は4つの実験で構成されていて、

  1. すべての被験者に「過去にあった悲しい体験」を思い出してもらう(失恋したとかペットが死んだことなど)
  2. 全体を2つのグループに分けて、一つのグループには、悲しい体験を普通に描写する
  3. もう一つのグループには悲しみを擬人化してイメージし、その悲しみがどのような人物なのかを描写する

という感じになってます。

「インサイド・ヘッド」が、ネガティブな感情をカナシミってキャラで表現したように、辛い気持ちを特定の人物として表現してもらいました。

この実験では、多くの人は「悲しみ」を2パターンの人間として描写していて、

  • 白髪で落ち込んだ感じの老人
  • 下を見ながらとぼとぼ歩く小さい女の子

というイメージを採用する人がほとんどだったそうです。

こういうときには、若い男性を選ぶケースは少ないようですね。

その後、みんなに悲しみのレベルを尋ねたところ、予想どおり「悲しみを擬人化したグループは悲しみのレベルが大きく下がった!」という結果でした。

普通に悲しみを記録したグループも多少は悲しみのれベるが下がりました。

別の調査では、「幸福感」についても似たような実験を行なっていて、ここでもやはり結果は同じでした。

「幸福感」を擬人化したグループは全体的に喜びの感覚が下がってしまったそうです。ポジティブな感情は擬人化しない方がいいってことですね。

さらにこの実験では、「ネガティブな感情を擬人化するとセルフコントロール能力が上がる!」という結果も出てるところが素晴らしいです。

悲しみを擬人化して切り離した人は、その後で「ケーキとサラダのどっちを食べますか?」と尋ねたところサラダを選ぶ確率がはね上がったそうです。おもしろいですね。

研究チームによれば、

”感情を人間として考えてみた被験者は、より悲しみの感情から自分を切り離して見ることができた。

悲しみの擬人化は、感情を制御するための新しい方法だと考えられる。

このようなマインドセットを起動させることにより、私たちはもっと気分良く過ごせるし、長期的なメリットのない誘惑にも打ち勝つことができる。”

ということです。

ネガティブな気持ちに押しつぶされそうな人はもちろん、セルフコントロール能力に悩んでいる人にも「感情の擬人化」は使える方法と言えます。

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