ポリフェノールが体にいい(ソース)という話は良く聞いていると思いますが、それだけでなく、「運動のパフォーマンスも上げてくれるのでは?」というメリットもあります。
その原因としては、ポリフェノールの抗酸化作用が身体のダメージを和らげてくれることと、さらにもうひとつ大きなのが、
ポリフェノールのおかげで腸内細菌が元気になる
と考えられています。
この働きにより、
- エネルギーの代謝へすぐに作用する
- 栄養を取り込みやすくなる
- ミトコンドリアの生合成を刺激する
- 抗酸化システムがさらに活性化する
- 糖質と脂質のホメオスタシス(生体が変化を拒み、一定の状態を維持しようとする働き)にも効く
- DNAの修復に関与する転写因子にも作用する
などのメリットが得られるということです。
運動のパフォーマンスだけでなく、アンチエイジングにも欠かせないポイントが多いです。
2020年パドヴァ大学から「ポリフェノールと運動のパフォーマンス改善」というポイントについて208の先行研究をまとめて、「どのサプリにどれぐらいの意味があるのか?」というのを提示してくれています(ソース)。
それぞれの効果量やデータの精度を細かく見てるわけではないので、あくまで「これぐらいの効果があるかも?」ぐらいの解釈ですが、とりあえず見込みがありそうなポリフェノールを押さえておくためには有用かと思います。
研究チームがまとめた「パフォーマンスにアップに効きそうな」成分は、
クルクミン(ウコンに入っている有効成分)
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- 実験で使われた摂取量:1日80~200mg
- 得られそうなメリット:筋肉疲労の改善、筋肉量の減少を抑える、筋肉痛を抑える、筋疲労の回復、酸化バランスの改善、インスリン感受性の改善
レスベラトロール(ブドウの皮などから抽出される)
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- 実験で使われた摂取量:1日100~500mg
- 得られそうなメリット:筋肉のミトコンドリアを増やす、運動のパフォーマンス向上、肥満をやわらげる作用、脂肪酸の酸化を抑える、糖代謝の改善
ココアフラボノイド
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- 実験で使われた摂取量:1日200~500mg
- 得られそうなメリット:脳の血の流れが増える、血管の機能が改善する、運動の酸化ストレスを減らす
ケルセチン(野菜や果物に多く存在)
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- 実験で使われた摂取量:1日200~1000mg
- 得られそうなメリット:肉体とメンタルのパフォーマンス向上、筋トレ中と後の神経筋パフォーマンスを改善、筋肉ダメージによる筋力低下を抑える、運動後の回復時間を短くする
緑茶エキス
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- 実験で使われた摂取量:1日250~1000mg
- 得られそうなメリット:筋肉の酸化ストレスを減らす、筋肉疲労による神経系の衰えを改善
ブルーベリーエキス
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- 実験で使われた摂取量:1日75~150mg
- 得られそうなメリット:運動後の回復スピードを上げる、血管の機能を改善、血管が拡がる能力を上げる
ピクノジェノール(松の樹皮から抽出)
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- 実験で使われた摂取量:1日100~800mg
- 得られそうなメリット:酸化ストレスから身を守る、トライアスロンのように体へのダメージが大きなスポーツのトレーニング効果とパフォーマンスが上がる
チェリージュース
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- 実験で使われた摂取量:1日30mL
- 得られそうなメリット:筋力系のスポーツで筋肉の回復スピードを上げる、運動後の痛みが減る
エクロニアカヴァ(海藻に含まれる)
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- 実験で使われた摂取量:1日40mg
- 実験で使われた摂取量:グルコースの酸化を促進する(エネルギーとして使いやすくなる)、強度が高い運動で出る乳酸を抑制する
などがあげられます。
ポリフェノールはとにかく体にいいので、なじみのあるものから試してみてもいいかと思います。