アルコールはやはり脳を老けさせるという記事を以前書いたのですが、今日はまた酒飲みにはマイナスなお話です。
今回は、「飲みすぎる人は共感力が下がる!」という論文(ソース)です。
これは71人の男女を対象にしたテストで、そのうち半分は「酒を飲み過ぎ」に分類されるグループで、残りは「飲み過ぎてない」グループに分類される人たちです。
実験の内容は、
- みんなに手足を負傷した人の画像を見せ、「このケガが自分のものだと想像してください」や「このケガが他人のものだと想像してください」と指示する
- みんなが想像してる間の脳をfMRIでチェックして、参加者がどういう脳の反応をしてるかを調べる
となってます。
いかにも痛そうな画像を見た場合に、酒飲みとそうでない人は反応が違うのか?ということを調べたわけです。
この研究における「飲み過ぎ」の定義は、
” 過去30日間のあいだに、1回の飲み会で60g以上のアルコール(ワインボトル1本の約4分の3ぐらいの量)を飲んだことがある。”
です。お酒好きでよく飲んでいる人なら、簡単に満たしてしまいそうな基準です。
で、結果は以下のようでした。
- 「飲み過ぎ」な人たちは、酒を飲まない人に比べて、「他人の痛みを想像する」タスクが苦手だった!
- 「自分の痛みだと想像する」タスクの成績は両グループで変わらなかった
- さらに、「飲み過ぎ」な人たちは、体の部位を認識するのに関わる脳の視覚領域が異常に活性化していた(これは、他人の痛みに共感するために、より多く脳のエネルギーを使わなきゃいけないのが原因だと思われる)
要するに、酒をたくさん飲む人は他者への共感性が低下しているのではないかということです。
研究チームによれば、
” この結果は驚くべきである。データによると、酒をたくさん飲む人は、痛みを抱える他者に共感を抱くために、より脳を働かせる必要があるらしい。
日常生活の文脈に置き換えれば、酒をたくさん飲む人は、他人の痛みを感じ取るのに苦労しているかもしれない。”
ということなので、酒好きは他人の痛みに共感する能力がちょっと下がっていていることに注意したほうがいいようです。