2019年テキサス大学等によるメタ分析で、
寝る何時間前にシャワーを浴びるとよく眠れるの?
を調査したものです。(ソース)
寝る前の入浴やシャワーにはメンタルのリラックス効果があります。
そのおかげで睡眠の質も上がりますが、その効果を最大化するタイミングはいつなのか?を調べてくれたわけです。
5,322件の先行研究から信頼度が高い17件を抜き出してまとめてあります。ポイントは、
何時のシャワーで眠りに入りやすくなるか?
全体の睡眠時間は長くなるか?
睡眠の効率は良くなるか?(ちゃんと本人の希望どおり眠れるか?)
主観的な睡眠の質は改善するか?(本人によく眠れた感はあるか?)
等を調べました。
すべてのデータを分析して分かったことは、
寝る前の入浴やシャワーは1〜2時間前が良く、
温度は40〜43度がベストということです。
このガイドラインに沿ってシャワーを浴びると、眠りにつくまでの時間が普段より10分ほど短くなるという結果です。
ベッドに入る90分前にシャワーかお風呂に入るのが良いようです。
このような現象が起きる理由は、精神的にリラックスする以外に、
入浴やシャワーが体温を下げてくれるから
ということが大きいです。なんだか矛盾した話のようですが、
熱いお湯で全身の体温調整システムが起動する。
システムの働きにより、血の流れが手足の末端に向かい、
手足の末端は放熱効果が高いので、熱が結構拡散していき、
その分、体の深部体温は冷えていく
ということです。体を温めたおかげで放熱効果が生まれ、逆に深部体温(脳や内臓の温度)は下がっていく訳です。
深部体温ってのは全身に「もう寝る時間です!」というシグナルを送る役割を持っているので、深部体温が下がるほどよく眠くなっていきます。
まとめると、
シャワーや風呂で体を温めてから深部体温が下がるまでに、だいたい90分ぐらいかかるので、逆にこれより短いタイミングでシャワーを浴びちゃうと、まだ深部体温が温かいままなので、眠くはならないです。
ですから、睡眠を改善するためのシャワーやお風呂は寝る90分前に40度と覚えとくといいかもしれません。