昨日も書きましたが、年齢とともに筋肉が落ちやすくなります。
特に女性は男性よりも筋肉が少ないので、ますます減ってしまいます。
筋肉が落ちると基礎代謝が下がり脂肪がつきやすい体になってしまうので、筋肉を減らさないように筋トレも必要ですが、タンパク質を摂取することも重要です。
筋肉が落ちやすくなる原因は、「年をとるとタンパク質の効きが悪くなる」という問題が大きく関わってます。
「アナボリック抵抗性」と呼ばれる現象で、昔と同じだけの肉を食べても筋肉が刺激を受けない状態になってしまうことです。
いまのタンパク質推奨量は少なすぎ
タンパク質の摂取基準にはいろいろあって、
- 厚労省:成人の推奨量(g/日) = 0.72 × 体重(kg) × 1.25
- WHO:体重1kgあたり0.8g
みたいな感じになっています。
ただし、この推奨量には2つの問題があります。
- 若い人を対象にしたデータをもとに数字を出している
ほとんどの基準値は20から30代のデータが中心で、中高年は、もっとタンパク質を摂ったほうがよさそうです。
実際、高齢者ほど高タンパク食のほうがいいっていう観察研究は昔から多いです(ソース)。
- 調査法がちょっと古い
現在の基準値は、体外に排出される窒素バランスをベースに算出しております。この数字は一定しないことが多く、タンパク質を多めに食べても窒素量は少なめに出たりすることが多いです。
ということで、いままでの数値が間違いだとは言えないけど、「実際にはもっと摂ったほうがいいのでは」と思います。
年を取ったら多めのタンパク質を心がける
参考になるのが、2016年カナダで行われた実験(ソース)です。
6名の65才以上の被験者に対して、IAAO法でタンパク質バランスをチェックしました。
IAAOは、より正確に必要なタンパク質量を割り出せると評判の計測法です。
結果はというと、
年を取ったら1日に体重1kgあたり1.24gのタンパク質がおすすめ
とのことです。
WHOや厚労省の基準よりもかなり多めですね。
これは最低の推奨量なので、筋肉が多めの方は体重1kgあたり1.6gまで摂るのがよいということです。
2007年には、若い人を対象にIAAOを使った実験(ソース)もありますが、こちらも「体重1kgあたり1.14gのタンパク質が必要」という、WHOや厚労省の基準より多い結論になっています。
若い人もいままでの推奨量より多めのタンパク質が必要な感じですね。
そんなわけで、年齢が高めの方ほど、一般的な推奨量より多めのタンパク質を心がけたほうが良いようです。
筋トレを普段習慣にしている人やダイエットをしている人は、
体重 × 1.6 (ダイエット中のタンパク質の摂取量)
のタンパク質を目指すのが良いと思います。
タンパク質には「空腹感を減らしてくれる」効果があり、ダイエット中には積極的に摂りたい成分です。
タンパク質を多めにとったほうが満足感も高くなって、最終的な摂取カロリーは少なくなります。
ということで、普段から意識してタンパク質を多めに摂るのが良いということですね。