運動のパフォーマンスをあげるには糖質が必要なのですが、特に持久力系のスポーツで炭水化物を取らないと大変なことになります。
ではたんぱく質は必要ではないのか?というポイントです。
パフォーマンス改善のために糖質が必要なのはいいとして、そこにたんぱく質も加えたら、さらに疲労感が改善したり運動性能が上がらないのかという問題です。
そこで2020年に出たメタ分析(ソース)では、「運動のパフォーマンスアップには炭水化物だけでいいのか?それともたんぱく質も必要なのか?」についてまとめています。
これは1950年から2019年の間に発表された研究から、この問題について調べたデータを選択し、最終的には43件の論文を分析しています。
参加者の数は326人でそう多くない感じですが、貴重な内容になってると思います。
運動前の疲労回復の効果
- 24件のRCT(ランダム化比較試験)をまとめたところ、全体的に見ると、炭水化物だけよりもたんぱく質も一緒にとったほうが運動で疲れにくくなった(効果量は2.2)
- 運動の最中に炭水化物だけをとった場合よりも、炭水化物+たんぱく質のほうが疲れるまでの時間が長くなった(効果量は3.34)
- ただし、摂取カロリーを同じレベルにそろえた場合は、「炭水化物だけ」と「炭水化物+たんぱく質」のあいだに有意差はなかった。摂取カロリーを統一しない研究だけをまとめたときは、「炭水化物だけ」よりも「炭水化物+たんぱく質」のほうが良い効果があった
運動後の疲労回復の効果
- 運動が終わった後の回復期間については、「炭水化物だけ」と「炭水化物+たんぱく質」の間に有意な違いはなかった
- 運動が終わってから8時間以内で比べた場合も、「炭水化物だけ」と「炭水化物+たんぱく質」の間に有意な違いはなかった
- 運動が終わってから8時間を超えたタイミングで比べた場合は、「炭水化物だけ」よりも「炭水化物+たんぱく質」のほうが良い成績が出ていた
パフォーマンスアップの効果
- 「炭水化物だけ」よりも「炭水化物+タンパク質」のほうが運動のパフォーマンスは向上していた(効果量3.39)
ということで、細かい点で気になるとこはあるものの(カロリー摂取量の問題とか)、全体的に見れば、
炭水化物とたんぱく質を一緒にしたほうが疲労回復にもパフォーマンス改善にも良い!
という感じではないでしょうか。
運動をする際は、いつもの炭水化物にプロテインを加えてもよさそうですね。
また、疲労回復を狙う場合は、運動から8時間を超えたあたりで効果があるということです。
この研究では長期的なたんぱく質の影響を調べたものが3件しかないので、注意が必要です。