「不老長寿メソッド」によると「よく寝たいなら日中に運動をしよう!」ということが言われています。
ごく標準的なアドバイスなので、これを否定する人は少ないと思います。
ですが、過去の研究例などでは「運動したのに変化がなかった!」という報告もあります。
ちゃんと日中に体を動かしたはずなのに、一部の人には効果が見られないことがありました。
その理由はまだよくわかってなかったのですが、2021年のデータ(ソース)は良いヒントになりそうです。
これは9人の男性を対象にした小規模なテストで、
- みんなに60分間のハードな運動をしてもらう
- その後の睡眠の質を、脳波計で測定してみる
ということを行いました。
ここではCVEっていう睡眠の判断法を使っていて、脳の振動の特徴にもとづいて睡眠の深さを定量化しています。
結果はと言うと、研究チームは以下のように言っています。
” 結果は意外なものだった。
脳波による客観的な指標では、運動は睡眠の質を向上させていた。
しかし、参加者は睡眠の質に変化がなかったと報告したのである。”
つまり、本当は運動のおかげで肉体は休めているに、本人は「よく眠れなかったな」という感覚を抱いてたわけです。
どうしてこういう現象が起きるかはまだ謎ながら、研究チームの仮説は、
”たまに活発な運動をするよりも、定期的な中程度の運動を行うほうが、知覚的な睡眠の質に有益である可能性が示された。”
ということのようです。
おそらく慣れない人が激しい運動をすると、筋肉の疲れや疲労感に意識が向かってしまい、そのせいで主観的には「眠れなかったな」という印象になるのではないかということです。
というわけで、運動で睡眠を改善したいなら、定期的に中レベルのエクササイズをするのがいいかもしれませんね。