夜になると肌が痒くなる問題
「夜になると体が痒くなる!」 というのはよく聞く話ですが、
この現象は「夜間掻痒症(Nocturnal Pruritus)」と言われていて、昔から研究が進んでいます。
今日は、テンプル大学とウェイクフォレスト大学のレビュー(ソース1,ソース2)をベースに、まとめてみました。
夜になると肌が痒くなるいくつかの原因
「痒み」は複雑な現象で、明確な原因を特定するのはなかなか難しいと言われてます。
アレルギーが原因のケースもあれば、肝臓のダメージで引き起こされたり、たんに寝床にダニがいただけだったりなどとにかく色々あります。
そのほかの原因も並べてみると、
体内時計の変化
- 夜になって肌の血流があがった
- 夜になって肌の温度があがった
- 炎症性サイトカインの分泌が増えた
- 副腎皮質ホルモンが減って体内の炎症が増えた
- 夜間の汗で肌の水分量が減った
その他の要因
- 寝室のほこりなどに免疫が反応している
- 乾燥肌
- ストレス
- 甲状腺の異常
- 鉄分不足による貧血症
- 不安症やうつによるもの
女性に特有の変化
- 女性ホルモン(エストロゲン)の量が変化して肌が乾燥した
といった感じです。
外的な原因からメンタル要因まで様々ですが、とりあえず心当たりがあるものを片っ端からチェックしていくしかないような気がします。
夜になると肌がかゆくなる問題の一般的な対策
以上をふまえたうえで、一般的な対策について並べていきます。
- 加湿器を使って室内の湿度は30〜50%の範囲におさまるように調整
- 無駄に血流があがらないように、寝る前に冷たいシャワーを浴びる(ソース)
- 寝室の温度は摂氏19〜21度に保つ
- 寝る前に瞑想でリラックスのトレーニングをする
- コットンのような天然繊維の服で寝る
などが基本的な予防法になると思います。
それでも改善が見られなければ、
- 抗ヒスタミン剤を飲む
- メラトニンを飲む(体内時計の調整ホルモン)
- ビタミンDを飲む(痒みに効くというエビデンスあり)
なども試してみるのが良いかと思います。
部屋の室温を下げたり、加湿器で湿度のコントロール、それに保湿クリーム使うだけでも、夜間の痒みはましになると思います。
まずはその点を改善して、サプリや市販薬を試してみてはどうでしょうか。