ゼンガー・フォークマンというコンサルティング会社が、「生産性が高い人の特徴はこんな感じ」という本を出していて、参考になると思います。
これは約7000人の労働者を対象にした観察研究で、参加者は、
上司から「生産性が高い」と評価されている
平均11人の同僚や部下にもアンケートを行って、さらにくわしく生産性をチェック
して、だいたい生産性が「上位10%に入る」と判断された人を選んだそうです。
具体的には、
プログラマーの場合、1日に書くコード量が平均の9倍!
販売員の場合、1日に売りさばく商品の量が平均の8倍!
などかなりのレベルの人達です。
分析の方法は、
生産性が高そうな人の行動を48パターンに分類して
参加者の行動を記録してパターンとの相関を見る
という形です。
では、生産性がとても高い人がどんな行動を取っていたのでしょうか?
1. 生産性が一定している
生産性が高い人は、とにかく作業ペースが安定してます。
特定の時期だけ大量に仕事をしたり、急に仕事をしなくなったりする時期がないということです。
一定のペースがあるので、当然、作業を先延ばしにすることもないし、徹夜をすることもありません。
とにかく決まった作業スピードを維持するのが大事ということでしょうか。
2. 目標が大きい
生産性が高い人は、「1ヶ月で売り上げを倍に」とか「1週間でアプリを作る」みたいに大きいい目標を持ってる傾向が多いです。
ストレッチ目標のことで、このタイプは目標が大きいほど作業ペースが上がり、集中力も高まっていく傾向があるそうです。
ハーバードビジネススクールの論文などでは、「たいていの人はストレッチ目標でモチベーションが下がる」という傾向も確認されているので、普通の人が真似すると痛い目を見るかもしれません。
おそらく生産性が高い人は、
ストレッチ目標の過剰なプレッシャーに耐えられるメンタルを持ってるか、
ストレッチ目標を細かい目標にブレイクダウンしていくのがうまい
のどちらかなのかもしれません。
3. やはり専門知識は必須
生産性が高い人は、仕事に関する専門知識を多く持ってます。
もっとも、心理系の研究では「専門知識のせいで創造性が下がる」というデータも多いので、専門知識があればいいというわけでもなさそうです。
決まった仕事の枠内で生産を高めるには知識は必須ですが、いつもの仕事を上まわるアイデアを出したいときは注意が必要かもしれません。
ちなみに、このデータでは、生産性が高い人ほど「ためらわず他人に助けを求める」という傾向も出てます。
4. ToDoリストが大好き
生産性が高い人は、とにかくToDoリスト好きです。細かいタスクを終えてリストにチェックを入れると、他人よりも過度な喜びをえる傾向があるそうです。
さらに仲間との競争も大好きで、過去の自分の記録を塗り替えるとうれしくなってたまらないらしいです。 面白い傾向ですね。
5. トラブルを組み込んで行動する
生産性が高い人は、つねに「どんなトラブルが起きるのだろうか?」と考えて行動します。
自分が達成したい目標だけでなく、そこで起こりうるトラブルを想定して動くということです。
これは過去のデータでも実証されていて、「心理対比」などと呼ばれています。
心理対比は目標を達成したイメージを細かく思い描き、脳がイメージをダイレクトに受け取り、目標達成可能だと脳に思い込ませる手法です。
6. 許可を取らずに行動する
生産性が高い人は、とにかく行動が早いので、指示をもらう前に行動する傾向が大きいです。
ただし、周囲が納得する前にプロジェクトに取りかかることもあるので、トラブルのもとにもなります。生産性が高い人は、リスクも抱えてるということです。
7. ただし協調性も非常に高い
生産性が高い人は他人の許可を取らないものの、意外と同僚といっしょに働くのもうまいです。
他人を怒らせることがないので、許可を取らずに行動しても上司から怒られることがないそうです。
以上が、「生産性がとても高い人」が持ってる7つの特徴です。
生産性の高さには生まれ持った気質が重要なポイントになってることもありますが、自分のできること、「心理対比」などから試してみるのがいいと思います。