運動が脳に良いという記事はいくつか書いていますが、2018年に出たデータ(ソース)によると、
手っ取り早くパーフォマンスを得たいなら、朝に30分間の有酸素運動が最高だ?
と思わせる結果になっています。
これは西オーストラリア大学などの調査で、67人の55歳から80歳を対象に、3パターンの運動を割り当ててます。
- 朝の9時に30分の運動をして、そのあとは16時まで座って仕事
- 朝の9時に30分の運動をして、そのあとは30分おきに3分のウォーキングをはさみつつ6時まで座って仕事
- 運動をせず朝から16時まで座って仕事
「朝30分の運動」はトレッドミルを使っていて、軽く傾斜をつけた状態で時速3.2キロのウォーキングをしたとのことです。
一般的な歩行スピードが時速4キロなので、そこまでしんどい運動でもないようです。
傾斜がついてるので普通のウォーキングよりは負荷が高いですが。
また、朝に運動を行なった後の仕事は、コンピュータ画面の前で座ったまま作業を行うもので、座りっぱなしの時間は6.5時間でした。
座り仕事が多い人だとこれより多く座ってるケースもめずらしくないと思います。
その上でみんなに「Cogstate」という認知テストで精神運動機能、注意力、実行機能、作業記憶を評価してもらったところ、結果は以下のようになりました。
- 朝に30分の運動して仕事中に3分の散歩休憩をはさむと、もっとも意思決定力が高まる! ワーキングメモリ(記憶の一時貯蔵庫)と実行機能(脳が決断を行うときに使う機能)が高まる
- 朝の運動で得られた脳の改善効果は、その後6.5時間にわたって続いた!
- 逆に長時間座ったままの状態が続くと、作業記憶テストのスコアと実行機能が低下する
ということで、朝に30分の運動をしておくと、その後ほぼ1日にわたって脳機能の改善効果が続くということです。
それも、HIITぐらいハードな運動でなくても、中強度の有酸素運動ぐらいで十分な意味があるので、非常に良いですね。
研究チームいわく、
” 座りっぱなしままだと認知機能が下がってしまうが、運動をすればすぐに認知機能を改善できる。
特に中強度の運動を朝に行えば、その後の座り作業を断続的なウォーキングで中断すれば、高齢者のBDNFとワーキングメモリまたは実行機能も改善する。”
” 1日を通して最適な認知機能を維持するためには、座りっぱなしを避けるべきだ。
”今回の研究は、中等度から多量の身体活動(MVPA)には神経の保護効果があり、生涯にわたって脳の健康を維持するために奨励されるべきであることを示す。”
ということで、朝にちょっと早めのウォーキングぐらいをしとくと良さそうです。
この実験をもとにガイドラインをまとめると、
- 朝起きてから1時間後に、軽く息が上がるぐらいの早歩きを30分ほど行う(会話ができないレベルまで負荷を高めなくてもOK)
- その後、普通に座ったまま仕事を行う
- 30分おきに休憩をはさみ、3分ぐらいの軽いウォーキングを行う(普通のウォーキングでOK)
という感じになります。
私の場合は、休みの日を除いて夕方にエクササイズしているので、たまには朝ばっちりと有酸素運動を取り入れてみたいと思います。