メラトニンは運動の酸化ストレスに効果あるの?

メラトニンというと体内時計の調整に役立つホルモンとして有名です。

明るい光とメラトニンで体内時計を整える!

2021年に「メラトニンで運動による酸化ストレスを回復できるのか?」という点を調べたデータ(ソース)が出ていて、また別のメラトニン効果が確認できます。

というのも、メラトニンは抗酸化作用の大きさでも知られる成分なので、運動によって引き起こされる酸化ストレスのダメージをやわらげる可能性があるということです。

特にマラソンみたいな高負荷トレーニングをしている人は酸化ストレスが大きく、さらにメラトニンの分泌量も下がるケースが多いですから。

メラトニンについては昔から大量の研究が行われてますけど、運動にも役立つのかどうかを調べたものは多くないので、非常に役立つ内容だと思います。

まずはメラトニンの抗酸化性能を確認すると、以下のようになります。

  • メラトニンおよびその代謝物は、脂質の過酸化に開わるフリーラジカルの阻害剤として働くし、慢性および急性の炎症を抑える作用がある
  • そのため、メラトニンの抗酸化力、抗炎症力、および油に溶けやすい性質は、老化プロセスや加齢の疾患(アルツハイマー病とか)を軽減するのに役立つかもしれない
  • メラトニンは、腫瘍細胞のシグナル伝達経路を選択的にシャットアウトする能力があるため、癌細胞の増殖を抑制し、その成長を阻害することができるのかもしれない

すべて確立された話ではないので、あくまで可能性の話です

いずれにせよメラトニンの抗酸化と抗炎症パワーは広く認められているので、ここは押さえておきたい点です。

では、運動とメラトニンの関係についてまとめてくと、以下のようになります。

  • 定期的に運動をしている健康な男性を調査した研究では、75%VO2maxで30分のジョギングを午前中に行ったグループは、午後に運動した場合よりもメラトニンの分泌が20%増えていた
  • 女性アスリートを対象にした研究では、激しいトレーニングの期間中はメラトニン分泌が低下する傾向が見られた

ということで、適度な運動はメラトニンを増加させるのに役立つけれど、逆に激しすぎる運動はメラトニンを減らす方向に働くようです。

これはHIITのような高負荷トレーニングをしている人は要注意ですね。

さらに「運動の酸化ストレスにメラトニンは効くのか?」という点については、

  • 素人アスリートにメラトニン(3mgを3日間 × 5錠)を飲んでもらったところ、メラトニンを飲んだグループは酸化ストレスが上がりにくくなり、筋肉のダメージも減った
  • 男性のサッカー選手を集めて、運動の30分前に6mgのメラトニンを飲んでもらったところ、やはりメラトニンを飲んだグループは体内の酸化レベルが低かった
  • あまり運動してない女性を対象に、トレーニングをしつつ1日3mgのメラトニンを飲んでもらったところ、メラトニンを飲んだグループは、8週間後に運動後の体内の酸化レベルが低くなる傾向があった

となっています。

研究チームによれば、

” 激しい運動は競技者の抗酸化状態を乱すが、メラトニンを補給することで、様々なスポーツのトレーニングを受けた競技者の抗酸化状態が強化されることが明らかになった。”

とのことです。

なかなかいい感じですが、なかには「メラトニンを飲んでも運動のパフォーマンスはあがらない」という報告も出ているので、一概には言えないようです。

まだスポーツのためにメラトニンを飲もうとは言えないですが、良質な睡眠のために摂取することで運動後の酸化レベルに効果があればいいかなという感じですね。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *