「スーパーエイジャー」と呼ばれる老人たちがいます。
これは80才にも関わらず50〜60才の脳を保ち続けるご老人たちのことで、そういう人が一定数いるようです(ソース1、ソース2)。
これらのデータは、スーパーエイジャーになるには、ちょっときついぐらいの勉強や運動をするのが良いという結果でしたが、きつめの勉強や運動って長続きしなさそうです。
2017年に出たデータでは別の経路も指摘されていて、参考になると思います(ソース)。
スーパーエイジャーはテストの得点が高かった
これはノースウェスタン大学の研究で、31人のスーパーエイジャーが対象です。
全員に対して「リフの心理的幸福感尺度(ソース)」という質問紙に答えてもらい、それぞれの幸福度を採点しました。
「リフの幸福感尺度」は42問で構成されるアンケートで、「自分の人生に責任感を持っている」や「他人から思いやりがある人間だと見られやすい」みたいな質問があります。
昔から幸福度研究の世界でよく使われてきたテストです。
結論をざっくり言うと、
スーパーエイジャーの中央値は40点だったのに対して、一般的な高齢者は36点だった
という感じです。
人間の幸福に必要な6つの要素
では、具体的にスーパーエイジャーは何が違ったのかと言うと、以下の点が平均して高くでてました。
- 自治性:自分で自分の行動を決められるかや、他人に流されずに自分の意見を貫けるかどうか。
- 他者との肯定的関係 :他人に対して、信頼性が高くて満足度の高い関係が築けるかどうか。
- 環境のコントロール:どんな厳しい環境に置かれても、自分はちゃんと対処していける、という感覚があるかどうか。自分の人生や周辺の環境を、自分に合ったものにできるかどうか。
- 自己成長:「自分は成長してる」って実感を継続的に得られるかどうか。新しい経験にオープンでいられるかどうか。
- 人生の目的:自分の人生には意味がある!と感じられるかどうか。なんらかの目標に向かって生きているかどうか。
- セルフアクセプタンス(自分を受け入れる):今の自分と過去の自分にポジティブな態度をもてるかどうか。
この6つは、先行研究をベースにして、「良い人生を送ってる人」に共通する要素として抜き出されています。
いくつかの追研究で妥当性が確認されていて、人間の幸福に必要なポイントだと言えます。
まとめ
研究者によれば、
” ことさらに社交的な暮らしを目指す必要はないが、この実験は、高齢になっても認知機能を保つためには、強力なソーシャルネットワークが必要な事実を示している。”
” この発見が素晴らしいのは、年を取っても自分の意思で認知機能をキープしていける可能性が生まれたことだ。”
”タバコを吸わない、といった選択肢のなかでは、ソーシャルネットワークはもっとも重要なもののひとつだろう。”
とのことです。
2010年のデータで「長生きには友人が必須」という話がありましたが、脳をシャープに保つためにも人間関係は重要だということですね。