2021年に「フルーツの糖分(果糖)はどこまで体に悪いか?」を調べたメタ分析(ソース)は、「果糖の摂取源によって死亡リスクは変わるのか?」という点を調べていて、私たちの暮らしに役立つ内容になっていると思います。
どうしてフルーツの糖分が議論になるかというと、
- 他の糖類と比べて、果糖は主に肝臓で処理されるので、肝臓で脂肪酸を作る割合が大きくなりやすい
- 果糖は、脂肪酸の分解を阻害することが確認されている
という特徴があるからです。
こういった特徴があるので、果糖を大量に摂取すると、脂肪肝とか心臓や血管の病気リスクを高めるかもしれないと言われています。
糖質制限ダイエット系でよく聞いたことがあると思います。
果糖を多く使ったソフトドリンクをたくさん飲む人ほど健康を害しやすい傾向はありますが、「果糖を多く含むその他の食品はどうなのか?」という点にも焦点を当てています。
この研究はコホート研究のメタ分析になっていて、果糖の摂取源としては、
- フルーツ全般
- 朝食用シリアル
- 果糖入りのドリンク
- ヨーグルト
などに分類したうえで、それぞれが全死因死亡率、心血管疾患(CVD)死亡率、癌死亡率にどう影響するのかを調べています。
で、結果をまとめると以下のようになります。
1.果物で死亡リスクはどう変わるか?(28試験、162万6395人)
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- 果物をほぼ食べない人と比べて、果物をたくさん食べる人は死亡リスクが11%低かった
- 果物を1日1食(100g)食べるごとに、死亡リスクが5%低下する
- 死亡リスクの低下は1日200gまで直線的に減少し、その後で効果がなくなった
2.果物で心臓や血管の病気による死亡リスクはどう変わるか?(21試験、151万8721人)
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- 果物をほぼ食べない人と比べて、果物をたくさん食べる人は死亡リスクが12%低かった
- 果物を1日1食(100g)食べるごとに、死亡リスクが8%低下する
- 果物の摂取量と死亡リスクの間には逆線形の関係があった(果物の摂取量が1日1000gになるまで、心臓や血管の病気による死亡リスクは減少し続けた)
- 果物をほぼ食べない人と比べて、果物をたくさん食べる人は死亡リスクが12%低かった
3.果物で癌死亡リスクはどう変わるか?(11研究、69万1751人)
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- 果物をほぼ食べない人と比べて、果物をたくさん食べる人は死亡リスクが6%低かった
- 果物を1日1食(100g)食べるごとに、死亡リスクが3%低下する
- 1日200gの摂取量で最も死亡リスクが低くなる
- 果物をほぼ食べない人と比べて、果物をたくさん食べる人は死亡リスクが6%低かった
4.果糖入りのソフトドリンクで死亡リスクはどう変わるか?(9研究、74万8934人)
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- ドリンクをほぼ飲まない人と比べて、ドリンクをよく飲む人は死亡リスクが10%高かった
- 1日に250グラム飲むごとに、死亡リスクが7%高くなる。ソフトドリンクを飲む量が増えるほど、死亡リスクは高くなった
5.果糖入りのソフトドリンクで心臓や血管の病気による死亡リスクはどう変わるか?(3研究、20万2349人)
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- ドリンクをほぼ飲まない人と比べて、ドリンクをよく飲む人は死亡リスクが16%高かった
- 1日に250グラム飲むごとに、死亡リスクが10%高くなる。ソフトドリンクを飲む量が増えるほど、死亡リスクは高くなった
6.ヨーグルトで心臓や血管の病気による死亡リスクはどう変わるか?(4研究、21万1567人)
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- ヨーグルトをほぼ食べない人と比べて、ヨーグルトをたくさん食べる人は死亡リスクが8%低かった
- 1日1食(200g)のヨーグルトを食べる人は、死亡リスクが14%低かった
- ヨーグルトをほぼ食べない人と比べて、ヨーグルトをたくさん食べる人は死亡リスクが8%低かった
7.朝食用シリアルで死亡リスクはどう変わるか?(7研究、42万3607人)
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- シリアルをほぼ食べない人と比べて、シリアルをよく食べる人は死亡リスクが6%低かった
以上のように、大方の予想どおり果物やヨーグルトであれば果糖は問題がなく、ソフトドリンクの場合は悪影響が出るという感じです。
これは観察研究のメタ分析なので因果関係の証明は出来ないのですが、「果物は1日200gまでは良い効果が出る」とか「ヨーグルトも1日200gぐらいが最適」という点は、 具体的な数字が出てて、日々の生活に取り入れやすいと思います。