部分やせについては、
1.部分やせが不可能なことは科学的にも確認されている
2.いや、実は部分やせはできることが近年に判明した
と2つの反対意見があります。果たしてどうなのでしょうか?
1.部分痩せは不可能な見解
1984年に行われた研究(ソース)で、19人を対象に27日間にわたって全員に腹筋運動 シットアップを1日140〜336回)を徹底的にやってもらいました。
が、その後で腹まわりのサイズや脂肪の量を調べたところ、変化はほとんどゼロ。
がんばって5000回以上の腹筋運動をしても、まったくお腹はやせてなかったのです。
2006年にコネチカット大学が行った研究104人の男女を対象にした実験で、12週間にわたって「利き腕じゃないほうの腕」だけを集中的にトレーニングしました。(ソース)
12週間後、全員をMRIにかけたところ、トレーニングした腕とトレーニングしなかった腕では、どちらも同じように皮下脂肪が減ってたそうです。
つまり、どれだけ特定のパーツをトレーニングしても、体脂肪はすべてのエリアから均等に減っていくということが分かったのです。
部分痩せしない理由としては、
筋肉と体脂肪はつながってない:そもそも、筋肉のまわりにある脂肪は、別に血管をとおして筋肉とつながっているわけでもないので、どんなに筋肉を鍛えても周囲の脂肪への影響を及ぼすことはできない。
筋肉は「中性脂肪」を使えない:基本的に、体脂肪は「中性脂肪」としてエネルギーを蓄えています。
が、筋肉の細胞は中性脂肪を燃料として使えないので、筋肉と隣り合った脂肪から直にエネルギーを取り込むことはできないのです。
2.部分痩せは可能な見解
2007年にコペンハーゲン大学の論文(ソース)によると、「やっぱり部分やせは可能じゃないのか?」という見解が出てきています。
これは男性を対象にした実験で、全員に「片足だけ」のレッグエクステンションを30分ほど続けてもらったんですね。その後で両足の血流と脂肪細胞をチェックしたら、
エクササイズした足は血流が増えて脂肪も分解していた
エクササイズしなかった足は、特に脂肪が分解していなかった
なんと、集中的に運動したエリアのほうが、脂肪の分解が活発だったのです。
なんでも、筋肉の収縮で血行がよくなったおかげで熱が発生し、周囲の脂肪に影響をあたえたということです。
ただし、これだけで「やっぱ部分やせは可能なんだ!」と思うのは無理かもしれません。
上記の実験は、、30分のエクササイズで約0.1gの脂肪しか溶けてないんです。
つまり、1kgの体脂肪を部分やせしようと思ったら、ざっと5000時間ほど追加の筋トレが必要なことになります。
これは現実的ではないですよね。
まとめると、
残念ながら「部分やせは無理」というのが科学的な結論と言えます。