私達の皮膚には1㎠あたり100万の細菌が住みついていて、皮膚常在菌と呼ばれ、複雑なエコシステムを作り上げています(ソース)。
その仕組みはまだ不明点が多いのですが、天然の保湿成分を作ったり、悪玉菌をブロックしたり、皮脂のバランスを保ってくれたり、外部からの刺激をブロックしてくれたりと、あらゆる働きをしてくれます。
洗顔や保湿クリームなんかに高い金を払う前にまずは肌の細菌をいたわった方が得策です。
健康的な美肌を目指すためにどうすればいいのでしょうか?
抗菌剤が入ったコスメや洗浄剤は止める。
「抗菌」や「薬用」をうたった商品は使わないのが無難です。
抗菌作用の高いフェイスソープなどで顔を洗うと、美肌に欠かせない常在菌たちが激減して、肌荒れが進んでしまいます。
殺菌成分のトリクロサンは環境ホルモンとして働くので、アレルギーが出たり、体重が異常に増えたりといった悪影響があるということです。
2014年の論文(ソース)によると、トリクロカルバンもよくないという結果です。
トリクロカルバンもトリクロサンと同じく殺菌力が強く、ハンドソープ、シャンプー、歯みがき粉などなど、いろんなものに入っている成分です。
これが入った商品を使うと、体内に一定量が残留して、やはり環境ホルモンとして悪影響を引き起こします。
とくにトリクロサンやトリクロカルバンは、お肌の良い菌を殺すうえに、体内に入って環境ホルモンとしても働くのが問題です。
必要以上に怖がる必要はありませんが、わざわざ買うほどの理由はないということです。
「薬用」とか「抗菌」とか書いてある商品に含まれているのでそういう商品を避けるのがベストです。
ではどういう商品なら大丈夫かというと、「シャボン玉石けん」は植物油脂の石けん素地なので、抗菌効果がなくて汚れだけをちゃんと落としてくれる優れた石鹸です。
バクテリア入りのコスメを使ってみる。
バランスが崩れた肌に良い菌を補うべく開発されたバクテリアの入ったコスメはどうでしょうか?
少ないながらも実験データがあって、2009年の実験研究(ソース)によると、乳酸菌入りのローションを肌荒れがひどい被験者に使ったところ、ニキビの量が相当減ったという結果がでています。
もっとも有名なのは、残念ながらまだ日本には出荷してないのですが、「AOBiome」というスプレーがあります。
日本で売っているのは、「マゴロクスキンケア」というローションがあります。
岡山大学の大平猪一郎博士が生んだ大ヒットサプリ「Dr.オーヒラプロバイオティクス」のローション版です。プロバイオティクスサプリとしては、昔から定評のあるブランドです。
Amazonで買えるものだと、米ぬかの発酵菌を配合した「トリニタ」などがあります。
アウトドアで過ごす。
肌に住む微生物の多様性を増やすにはある程度アウトドアで過ごすことが必要です。
活動時間の9割をアウトドアで過ごす狩猟採集民たちは、都市部の人間にくらべて倍以上も肌の菌が多く(ソース)、おかげで肌トラブルとは無縁の暮らしをしているそうです。
自然の中の散歩、外でのスポーツ、ガーデンニングなど、とにかく外に出て土に触れるのが美肌の元と言えます。
日焼け止めは忘れないでくださいね。
制汗スプレーを使用しない。
暑くなるとつい制汗スプレーを使いがちですが、ワキの下に住んでいる良いバクテリアも死ぬので、長期的には体臭が悪化してしまいます。
特にワキの下は良い細菌が住み着きやすい場所なので、ここにダメージをあたえると全身のバクテリアの多様性が減ってしまい、結果としてお肌にも良くないということになります。
ミョウバン系のデオドラントで、良い菌たちへの悪影響がほとんどないクリスタル・ボディ・デオドラントスティックなどがおすすめです。
除菌せずに部屋を掃除する。
室内のバクテリアもお肌に大きな影響を与えます。
基本的には、室内の細菌の種類が多いほど皮膚の調子やアレルギーが良くなる傾向があります(ソース)。
殺菌剤が入った洗剤を使いすぎると、お肌に逆効果になってしまう可能性が大きくなるので、私は基本掃除はベイキングソーダや酢、クエン酸などを使ったものをメインに使って、強い殺菌効果のあるものは使わないです。
バクテリア入りの洗剤「とれる No.1」も売っていて気になります。米ぬかと微生物で作られていて、これ一本で食器・家具・家電・風呂・トイレすべてに使えます。
まとめると、
私達の肌には美肌のための良いバクテリアが存在しているので、抗菌や、薬用のコスメや洗浄剤、制汗スプレーは避けていきたいものです。
住んでる部屋も抗菌しすぎないことが美肌へのコツだと言っていいでしょう。