いわゆるやせ薬は存在しません。
飲むだけで痩せるということをうたったサプリなどがよくありますが、かなり怪しくネガティブな影響が出るものもあり得ますのでやめておいた方がいいということをアメリカ食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)も発表しています。
そんな中で、一般的にあるサプリの中で痩せるために使えるのではないかとされているのは、カフェインとヨヒンビンというものがあります。
ですが、ヨヒンビンは自分の体重から使用量を割り出す必要があり、人によっては動悸が早くなったり血圧が上昇したりする副作用があるのであまり勧められません。
現状として使えるものは、カフェイン不耐性がなければですがカフェインが有効でないかと考えられます。
カフェインが脂肪を燃えやすくするのではという研究結果は多くあります。
メラトニン
カフェインが苦手な方でも使いやすくて、かつ、副作用も少なく体にも良いサプリがあります。
それは睡眠を助ける時によく使うメラトニンです。
メラトニンを寝る30分から1時間前ぐらいに毎日3㎎飲むことを1年間続けるだけで、筋肉量は増えて脂肪は減ったという興味深い研究があります。(ソース)
この論文によると、メラトニンに体脂肪を減らす可能性があるとのことです。
メラトニンは、人間が朝起きて太陽の光に当たり日中活動していると夜体内で分泌されるホルモンです。
メラトニンがしっかり分泌されていると、眠りが深くなり夜中に途中で目が覚めることもなくなります。
メラトニンは睡眠の質も上げてくれるので、体の脂肪を燃えやすい状態にしてくれるのではないかということも言われてます。
この研究は中年から高齢者を対象にしたものですので、30代以降の方にとって参考になる内容だと思います。
81人の56歳から73歳の女性を対象に全員を3つのグループに分けて実験を行いました。
メラトニンを1㎎飲んだグループ
メラトニンを3㎎飲んだグループ
プラシーボ(代替品)を飲んだグループ
被験者にはカロリー制限や運動などの指示は一切出さずに1年間続けてもらいました。
その結果、メラトニンを飲んだグループはそうでないグループに比べて体脂肪が6.9%も減少し、筋肉量は3.3%増えていたということが分かったのです。
カロリー制限や運動をしているわけでもないのに、こんなにも違いが出るというのはかなりすごいことだと思います。
体脂肪が落ちやすく筋肉がつきやすい。
メラトニン自体は睡眠の質を上げてくれるので、普通に健康的な人でも摂ると良いとか、アンチエイジングにも使えるという研究が結構あります。
若々しくいるためにはメラトニンがしっかり分泌されるようにしたほうがいいし、サプリで摂取するのもいいかもしれません。
上記の実験でなぜこんな違いが出たのかと言うと、メラトニンはアディポネクチンという脂肪細胞から出るホルモンで、脂肪を燃焼させたり糖代データを改善させたり、老化の原因になる炎症を抑制したりがんリスクを低下させる、血管を修復する物質を増やしてくれるからではないかと考えられます。
実際に同じ年齢であっても見るからに若々しい人は、同世代の人に比べて血中のアディポネクチンの濃度が高いということが分かっています。
上記の実験では、1日に3㎎のメラトニンを1年間飲み続けたグループは、プラシーボのグループに比べてアディポネクチンの濃度が21%も高かったのです。
これにより脂肪が燃えやすく筋肉がつきやすい状態になったと思います。
中高年が対象の実験ではありますし、若い人にとってどうなのかということは何とも言えませんが、睡眠の質が上がることもありますし、試してみても損はないと思います。
過去の動物実験では、中年のマウスにも体脂肪が減ったという同じような現象が起きています。(ソース1, ソース2)
歳をとると自然とメラトニンの分泌量は減ってきます。
最近あまりぐっすり眠れていないとか、脂肪が落ちにくくなったと感じた時にはメラトニンを試してみるのもいいかもしれません。
効果的なダイエットのためにはただ飲むだけではなく、筋トレなどのエクササイズもあわせて行うと良いと思います。