「自分に自信を持て」はデメリットが多い

自己啓発の世界で人気のあるテーマが「自信」です。

とにかく「自信をつける方法」みたいな本は山ほど存在して、その内容は、「自信があれば何でもできる!」というのが大半です。

ですが、ここ最近14-5年間の研究によれば、自信があっても能力は高くならないし、人生も上手くいかないという論文が多くなってきています。

有名なのは「WILLPOWER 意志力の科学」のロイ・バウマイスターによる2003年論文(ソース)で、自信の有無は能力の高さや成功とはまったく関連がなかったと断定しています。ポイントは、

自信が高くても、別に仕事の能力は高くならなかった。
自信が高い人は、長期的には嫌われやすかった。
自信が高くても、リーダーシップが高いわけではなかった。

という感じです。ただし、自信が高い人は自分のことを成功者だと勘違いしやすいので、自信がない人よりは幸福感が高いのがメリットのようです。成功者と勘違いして幸せを感じてる、なんだかいいのか悪いのか分からない感じです。

さらに、2011年のカリフォルニア大学の調査でも、自信が高い人ほど「お前の物はオレの物。オレの物もオレの物」というジャイアンな人が多く、攻撃的で差別的な傾向が高いことが確認されてます(ソース)。自信の高さがナルシシズムに結びつくのが原因のようです。

にも関わらず、あいかわらず「自信=成功」のような図式が消えない理由に関しては、バウマイスターによれば、

自信の高さがもてはやされるのには、いくつかの複雑な原因がある。わたしたちは客観的な成果を重視するが、自信を持っている人の多くは、自分の成功や幸福を大げさに言いふらしがちだからだ。また、自信が高い人のなかには、自己弁護ばかりするうぬぼれの強いナルシストが多いのも原因である。

ということです。さらに成功者に自信家が多いのは、あくまで成功して自信がついたからで、決して自信があったから成功したわけではないとも強調しています。原因と結果の方向が違うわけですね。

ポジティブ心理学の大御所マーチン・セリグマンも、50年代から鬱病が増えたのは、「自信があるのはいいことだ!」と教えこむ教育や文化のせいではないかと指摘しています(ソース) 。

自信の高さと現実の能力が食い違って、鬱状態に入りやすくなるのが原因ららしいです。こうして見ると、自信の高さは長期的な幸福感も損なう可能性が大きそうです。

そんなわけで、「自信を持て!」ってアドバイスには、やや超懐疑的になった方がいいようです。最新の研究では、自信よりも感謝の心自分を許す能力を持つほうが重要になりつつあります。

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