食事とメンタルが関係しているのは有名な話です。
アミノ酸は、やる気や幸福感のもとになるセロトニンとノルアドレナリンの材料なので不足するとうつになりやすいし、普通に考えても、ジャンクフードばっか食べてるよりは野菜たっぷりなほうが精神は安定しそうなイメージです。
ほとんどのリサーチは観察結果が中心で、例えば「地中海式ダイエットをしている人はメンタルも健やかだ」とかとか推測してた感じです。
2017年に出た論文(ソース)では、「食事だけでメンタルは改善するの?」という問題をしっかり調べてくれています。
食事だけでメンタルはどれぐらい改善するのか?
実験の参加者は67人の男女で、うつ病の診断を受けた患者さんのみです。
みんなセラピーや抗うつ剤の治療を受けています。
実験期間は12週間で、全員を2つのグループにわけました。
- メンタル改善用の食事
- 特に食事は改善しない
運動や瞑想などの指示はあたえず、あくまで食事だけを変えたらどうなるかだけをチェックしたわけです。
その結果は、
- 食事を改善したグループは32%が症状が改善(何もしないグループは8%が改善)
- 症状がやわらいだグループはMADRS(うつ病の臨床評価)で7.1ポイントの改善がみられた
でした。
劇的な改善とまではいかないものの、ちゃんと現実的に意味がある改善ですね。
この実験でいう「MADRSで7.1ポイントの改善」という意味は、「生きるのが辛い」というレベルから「元気はないけど暮らせる」ぐらいまで改善したぐらいのイメージです。
食事だけでここまで良くなるのだから、運動などと組み合わせたらもっと効果が見込めそうです。
メンタルに効く食事法とは?
実際に使われた食事法を紹介すると、
- 全粒粉=パンだったら1日に5〜8枚、パスタだったら1日に300g〜480g
- 野菜=1日に握りこぶし6個分ぐらい
- フルーツ=野球ボールぐらいの大きさを1日3つ
- 豆類=1週間に180gぐらい
- ナッツ=1日に手のひらに軽く乗るぐらい
- 魚=最低でも週に120g以上
- 脂肪の少ない牛肉、羊肉、豚肉=週に180g〜240gぐらい
- 鶏肉=週に120g〜180gぐらい
- 卵=週に6個
- オリーブオイル=1日小さじ3杯
- 乳製品=牛乳やヨーグルトは1日480mlぐらい、チーズだったら1日80g〜120gぐらい
のような感じで、地中海式ダイエットをベースにした内容になっています。
また、その他の注意点としては、
- カロリーは気にせず自由に食べる
- 三大栄養素のバランスは、タンパク質18%、脂肪40%、糖質37%ぐらい
という感じです。
カロリーを気にするとストレスが増えるので、メンタルに効かせたいときは自由に食べるのが大事ということですね。
メンタル改善のためにNGな食品は?
- 赤ワインまたは白ワインは1週間に300mlまでが上限で、それ以外のアルコールは厳禁
- 精製された炭水化物(パン、パスタ、米など)
- お菓子
- 揚げ物
- ファーストフード
- 加工肉
- 清涼飲料水(週に3本以上は厳禁)
となっています。
体に炎症を起こしやすい食品が多いですね。
以上がメンタルに効く食事法でした。最近気分がすぐれないとかいう方は食事を見直してみてはどうでしょうか。