食事はメンタルにも大事であることは以前記事にしていますが、心と体は一緒なので当然のことだと思います。
2019年に出たデータ(ソース)も食事とメンタルの研究で、「鬱と不安に悩む人が健康的な食事を3週間続けたらどうなるのか?」という問題を取り上げています。
これは20歳前後の男女76人を対象にした実験で、参加者は、
- DASS-21-D(ソース)という定番のメンタルテストで7点以上を取った人(7点以上は結構メンタルが良くないレベル)
- DFS(ソース)という定番の食事調査で57点以上を取った人(57点はかなり食生活が乱れてると思われるレベル)
みたいになってます。
いつも不安ぎみで食生活が貧しい人だけに的を絞ったわけです。
実験では被験者を「健康食グループ」と「普段どおりの食事グループ」にわけて3週間続けてもらいました。
「健康食グループ」には以下の食事内容を伝えています。(1カップ=240ml)
毎日食べるもの
- 野菜を1日5カップ
- フルーツを1日2つ
- 全粒粉を1日3カップ
- タンパク源(脂身の少ない肉、鶏肉、卵、豆腐、豆類)1日170g〜255g
- 乳製品1日130g
- 魚を週に200g〜250g
- ナッツ類1日小さじ3杯分
- オリーブオイル1日小さじ2杯
- ターメリックとシナモン1日小さじ1杯
減らすもの
- 精製された穀類(パン、パスタ、白米など)
- 砂糖
- 脂肪
- 加工肉
- ソフトドリンク(砂糖入り)
ぱっと見は地中海式ダイエットに似てますが、これはオーストラリア政府が定める健康食ガイドラインをベースにしてるそうです。
この食事の目的は「炎症の低下」で、「鬱は炎症の問題である!」という近年の傾向を反映した内容になっています。
ターメリックとシナモンを推奨してるのも抗炎症が目的ですね。
で、3週間後に再びテストを行ったところ、結果は、
- 健康食を続けたグループは、メンタルテストのスコアが「ちょっと治療したほうがいい」なレベルから「特に問題ない」レベルまで改善!(それまでの食事を続けたグループには変化なし)
- 年齢、性別、運動量、体型などをコントロールしても、健康食による改善の効果は残った(P = .007)
- 食事内容を精査したところ、メンタルの改善ともっとも強く相関していたのは「加工食品の削減」だった
ということになっています。
数字を見るとかなりよい感じじゃないでしょうか。
重度の不安がノーマルレベルに落ち着いたってのはすばらしい成果ですね。
ですが、このデータに関する難点もあって、
- 健康食を最後まで続けられた人が全体の21%しかいない。やはりメンタルが落ち込んでると健康な食事をするのは難しいようです。
- 健康食を続けられた人たちは、かなりプラシーボ効果が効いてそう
という点です。
あくまでテストでしかメンタルの変化を測ってないので、「自分は健康的な食事をした!」という達成感で不安が改善したという可能性もあるということです。
ですが、プラシーボにせよメンタルが改善するのは良いことなので、メンタルを改善したい方は上記したメニューを続けてみるのもありかもしれません。
一人で続けるのが無理な場合は、例えば地中海式ダイエットコースを有料で受けるなど、何らかの手助けも必要かもしれません。