自分にとって意味のあるタスクが前に進んでいるとき、人間はもっともモチベーションが高まるということが分かっています。(ソース)
実際は、前に進んでいなくても、前進してるようにさえ感じられればモチベ―ジョンは維持できるということです。
2018年のジョンズホプキンス大学論文(ソース)によると新しいスキルを身につけるスピードが2倍になる方法が見つかったという結果が出ています。
研究者によると、
” 私たちが発見したのは、全く同じことを何度も連続して練習するよりも、マスターしたいタスクを少し修正したバージョンで練習すると、より多くのことをより速く学ぶことができるということである。”
と言っています。
例えばピアノを同じように何度も何度も弾くのではなく、英単語のリストを同じように何度も何度も覚えるのではなく、ほんの少しの変化をつけて繰り返そう!ってことです。
たとえばサッカーを習得したいなら、同じ場所から何度もシュートの練習をするのではなくて、
- 前より角度を変えた位置から蹴ってみる
- 前より1メートル離れた場所から蹴ってみる
- 少し重いボールを使ってみる
- ちょっと蹴るスピードを変えてみる
みたいに微妙な変化を加えてみたほうがいいわけです。
どうしてこの方法が良いのかはまだよく分かってませんが、おそらくは「いつも同じことをやってると脳が飽きるが、ちょっとした変化により刺激を受けてよく働くようになるから」みたいに考えられます。
人間の脳ってすぐに飽きてしまうので、ちょっとした変化を加えたほうが良いということですね。
というわけで、この手法を現実のスキル習得に活かすためのガイドラインを考えてみると、
- まずは普通に練習する:基本ができてないのに変化を加えると脳が混乱するので、とりあえずは2〜3回ぐらい普通に練習する
- 6時間の間を開ける:数時間ほどのスパンでいきなり再練習をすると、脳が記憶を定着させる余裕がなくなるので、研究ではトレーニングセッションのごとに6時間の間を開けている
- 微妙な変化を加える:6時間以上がたったら、先の練習にちょっとした変更を加えます。たとえばピアノの練習だったら、
- 前回よりスピーディに弾いてみる
- 前回よりゆっくり弾いてみる
- 特定の3〜4章節だけ練習しまくり、最後に全体を弾いてみる
- 楽譜を隠して練習
- 別の条件を変える:さらに次のセッションでは、前回とはまた違う変化を加えて再練習
という感じで変化を加えて行けば、理論の上では習得スピードが倍になるはずです。
ちなみに、ここで大事なのは「大胆な変化を加えない」ということで、たとえば急に違う曲を弾いてみたりすると、脳が記憶の再統合を起こさなくなってしまいます。
あくまで微妙な変化を加えるのが大事ということです。
「毎回ちょっとした変化を加える」というやり方は、新鮮さをキープする効果は高いし、モチベーションアップにはいいのではないかと考えられます。
色々なスキル取得に使える考え方なので、今一つスキルが身につかないなあと思った時に試してみるといいのではないでしょうか。