自己効力感は「これぐらいならできる」という感覚のことで、自分にはゴール達成の能力があると信じられる状態を意味しています。
どんなことでも「自己効力感」は必要です。
無条件で自分には価値があるのだと考える自尊心とはまた別の概念となります。
自己効力感の研究はとても多くて、これが高いと、
- 勉強と仕事のパフォーマンスが上がる
- 人生の満足度も上がる
- 家族の関係も良くなる
という点が実証されています(ソース)。とにかく、いろいろと人生に影響をあたえるポイントです。
健康になるための自己効力感チェック法とは?
2018年に出た研究(ソース)では「健康と自己効力感」について調べてくれています。
当然ながら、自己効力感は人間が健康でいられるかどうかも左右するわけです。
この論文でチェックしたポイントは、
健康レベルに影響をあたえる自己効力感のチェック法とは何か?
という問題です。
自己効力感を調べるテストはいくつか開発されていますが、そのなかでも特に健康レベルの改善に役立つのはどれなのか?というポイントを調べています。
これはヴロツワフ大学の、過去のデータから信頼性が高い17件をまとめた研究です。いわゆる観察研究の系統的レビューと言われるものです。
ここで対象になったのは「なんらかの心疾患に悩んでいる人」で、いったん病気にかかった人と自己効力感の関係を調べています。
心疾患というのは、症状のせいで毎日が辛くなっていきますし、そのせいでメンタルも病む傾向があって、人生の質が下がってしまいがちです。
健康レベル判定用の自己効力感テスト
分析の結果は、
- 自己効力感が高いほど健康レベルは高く、それにともなう人生の質も高い傾向があった
- 健康レベルの高さを予想できる「自己肯定感テスト」が見つかった!
という感じです。
具体的にどんなテストで健康レベルのアップにつながる自己効力感を判断できるのかと言うと、
健康レベル判定用の自己効力感テスト
以下の質問に0%〜100%の範囲で答える。
「まったく達成できそうもない」なら0%だし、「完全に達成できる」なら100%。
この質問でいう「適度な運動」は、早歩きからランニングぐらいの負荷の運動を意味しています。
- 次の1週間に、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
- 次の2週間に、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
- 次の3週間に、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
- 次の4週間に、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
- 次の5週間に、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
- 次の6週間に、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
- 次の7週間に、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
- 次の8週間に、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
とてもシンプルですね。
すべて採点したら、各点を合計して8で割ればOKです。
当然、点数が高いほど健康になりやすいと判断できますが、80%以上は目指しておきたいところです。
以上のように、普通の自己効力感テストよりも、運動に特化したテストのほうが健康レベルを予想できるってのはおもしろいです。
3ヶ月おきぐらいにこのテストを行って、自分の効力感がどう変わっていったかをチェックしてみると良いのではないかと思います。
ちなみに、自己効力感を高める要素は、
- 自己達成:少しでも自分が成功した経験をする
- 他者達成:自分の目標と似たようなゴールを達成した人を観察する
- 言語達成:自分がどれだけゴールを達成できるかを理詰めで考える(ゴールを達成できなさそうな場合も「何パーセントぐらいできなさそうか」を把握する)
というポイントが定番です。