美肌に効く成分としては、いまのところビタミンAとビタミンCの研究例がずば抜けて多いですが、まともな実験データが増えてきたのが「植物系」です。
おもにオーガニック系のコスメでよく見かけるフレーズで、イソフラボンや植物性ヒアルロン酸とかが有名なところです。
その中から科学的根拠のあるものを5つ選んでみました。
ティーツリーオイル
アロマオイルとして有名なティーツリーオイルですが、実は美肌の効果も確認されています。2002年の論文によると(ソース) 、
- アルファテルピネオールによる活性酸素とバクテリアの除去
- テルピネン-4-オールによる炎症性分の抑制(インターロイキン10とか)
- シネオールによる抗菌効果
というメカニズムが判明しています。
なかでも信頼できそうなのが2004年のデータ(ソース)で、123人を対象に5%のティーツリーオイルを使ってもらったところ、何もしなかった参加者より5.75倍もニキビが治ったということです。
ほかにもティーツリーオイルシャンプーでふけが減った(ソース)という実験データもあって、抗菌と抗炎症の効果が認められています。
グリーンコーヒー豆
グリーンコーヒー豆は、コーヒーの生豆のことで、光老化やシワに効く可能性が指摘されております(ソース)。
有名なのは2010年の試験(ソース)で、40人の女性に2週間ほどグリーンコーヒーを使ってもらったところ、
- シワ
- 肌の硬さ
- 色素沈着
- 肌荒れ
- 光老化
などが有意に改善したそうです。
ピクノジェノール
ピクノジェノールは松の樹皮からエキスを抽出したもので、紀元前400年前にはソクラテスが「最強の薬」と呼んだ、由緒正しい成分です。
2010年のレビュー論文 (ソース)によると、
- 抗アレルギー効果(ヒスタミンの反応をやわらげる)(ソース)
- 抗炎症作用(炎症性の物質をおさえる)
- 抗酸化作用(グルタチオンの劣化をおさえる)
などがメインの効能です。
なかでも良い感じなのが光老化を防ぐ効果で、2001年の実験(ソース)でもピクノジェノールで紫外線の肌ダメージが格段に減ったことが確認されています。
ザクロ
ザクロはフルーツとして食べる方が多いと思いますが、お肌にもよいことが確認されています。
2008年のレビュー論文(ソース)によると、抗菌と光老化対策への効果が高い感じです。
ほかにも体内の抗酸化物質(グルタチオン)の量を上げてくれたり、全身のむくみを取る作用もあるようです。
ある実験では、ザクロの抽出液を経口で摂取してもらったところ、紫外線による肌荒れと色素沈着が減ったということもわかっています。
まだ研究データが少ないのが難点ですが、可能性はありそうです。
グレープシードエクストラクト
グレープシードは、ブドウの種子からエキスを抽出したもので、ビタミンE、リノール酸、レスベラトロールといった成分が豊富にふくまれています。
2008年のレビュー論文(ソース)によると、
- 活性酸素の除去
- 抗炎症作用(TNFアルファの抑制)
- 皮膚細胞の修復(ケラチノサイトを刺激する)
という効果が期待されています。
まだ人間を対象にした実験がないのが難点ですが、2007年の生体外実験(2)では、ビタミンCやEよりも肌の老化を防ぐ効果がみられたとのことです。
以上が、 美肌に効く植物系の成分でした。ティーツリーオイルとグリーンコーヒー豆は試してみたい感じですね。
ピクノジェノールはアレルギー肌の人にはいいかもしれません。