プチ断食は、 決められた短い時間帯だけ食事するように決めて、残りの時間は何も食べないっていう食事法のことです。
2020年新しい系統的レビュー(ソース)はプチ断食と筋トレで体脂肪が落とせるかどうか分析したもので、
「筋トレ+プチ断食」の組み合わせなら、筋肉を減らさずに体脂肪だけ落とせる!
という結論です。
痩せるためにはカロリーを削らないといけないですが、そうするとどうしても筋肉も減ってしまうのが難点です。
あまり食事を減らすと体脂肪といっしょに筋肉量も低下し、筋肉が減ると見た目に良くないだけじゃなくて、メンタルの低下や疲労にもつながってしまいます。
これはできるだけ防ぎたいところです。
それで、プチ断食で自然と摂取カロリーを減らしつつ、同時に筋トレを組み合わせてみたら、筋肉は落とさずに体脂肪だけ削れるのでは?という発想が生まれて、この系統的レビューも、そのポイントをチェックしてくれたわけです。
ということで研究チームは、過去の実験から質が高めな8件をピックアップして、219人のデータを分析しています。
その際にはPRISMAガイドラインと、ダウンズ アンド ブラックチェックリストが使われてています(ソース)。
データの内容は、
実験の期間はだいたい4〜8週間
プチ断食のパターンは以下の方法で、
-
- ラマダン式=夜明けから日没までに1日分の食事をし、14〜15時間は断食
- 4時間断食=1日のうち4時間だけ食事をして、残り20時間は断食
- 8時間断食=1日のうち8時間だけ食事をして、残り16時間は断食
- 日替わり断食=1日は好きなように食べたら、翌日は丸1日は普段の食事の25%ぐらいまでのカロリーに制限しつつ、12 p.m. 〜 2 p.m.のあいだに食事を済ませる
となってます。
被験者の体型はBMI22ぐらいの標準レベルから過体重のあいだで、上記のプチ断食パターンに週3〜4の標準的な筋トレを組み合わせたそうです(いずれのトレーニングも食事を済ませて時間がたってないタイミングで実施)。
で、確認された全体的な傾向は、
どのデータでも筋肉量はおおむね維持されており、ひとつの研究では筋肉の有意な増加が報告されていた
体脂肪量は、8つの研究のうち5つで有意に減少していた
だったそうです。
データ間のバラつきはややありながらも、とりあえず「プチ断食+筋トレは筋肉を保ったまま体脂肪を減らせる!」と言えそうです。
ですが、今回の分析にもそれなりの限界はあって、
- 8 件の研究のうち 7 件は「プチ断食だけをして筋トレをしない」って比較対象群がふ含まれていない。ですので、筋肉の維持効果が筋トレによるものなのか、プチ断食のおかげなのかが判断しにくい
- どれも短期の研究なので、長期的にはどんな違いが出るかは不明
- 研究のデザインにばらつきがあるため、プチ断食の効果に一貫した結論は出せない
といった問題はあります。が、このタイプの系統的レビューは初めてなので、いたしかたないかもしれません。
以上のように、今回の分析で限界はあるものの、大きく見れば「プチ断食&筋トレ」は、見た目を改善したい方にはかなり有望だと言えると思います。