人工甘味料ってダイエットに良いのではという話もありますが、中毒になったり、物によっては発がん性物質を含んでいたりとイメージが悪いという印象です。
2019年にでたデータは(ソース)は「人工甘味料にメリットがあるかどうかを徹底的に調査」という内容になってて、面白いです。
これはフライブルク大学などによる研究で、過去の人工甘味料リサーチをまとめたメタ分析になっています。
ここで分析の対象になったデータは観察研究が35件で、RCT(ランダム化比較試験)が21件です。
人工甘味料をとることで以下の事は改善したかを調べています。
- 体重は減るか?
- 歯の健康は維持できるか?
- 糖尿病は改善するか?
- 甘いもの中毒にならないか?
- 発ガン性は?
- 心疾患リスクは?
- アレルギーへの影響は?
- 気分は脳の機能はどうなる?
人工甘味料のリサーチとしては、かなり広範囲ですね。
では、人工甘味料にメリットがあるのかどうか結果は、
- 人工甘味料を飲んでも平均的な体重の人には影響しない。ただし、肥満の人は平均で1.99kgほどダイエットに役立つ可能性がある
- 2件のRCTでは、人工甘味料をとる人はBMI が0.6ユニットほど低い傾向があった(しかし決定的ではない)
- 52人のサンプルを対象にした研究では、人工甘味料で空腹時血糖値が改善する可能性が認められた(0.16mmol/L)
という感じで、もしかしたらダイエットに役立つかもだけど、その影響はかなり小さいので、減量目的で飲むのはそれほど効果ないという印象です。
研究チームによれば、
” 一般的な人が人工甘味料をとっても明確なメリットはなさそうである。
かろうじて肥満には良い影響があるかもしれないが、よりクオリティが高い研究が求められる。”
という感じです。
ここで取り上げられた実験は全体的にデザインがあまりよくないので、はっきりした結論を出すためには時間がかかりそうです。
そういうことで、
- 「甘味が欲しい」というときに人工甘味料を使うのは別に止めない。でも、普通にフルーツで代替できそうです。
- 人工甘味料を、虫歯対策やダイエットに使うのはほとんど意味がなさそう
- それでも甘味料を使いたいときは、アガベ―など自然のものから作られた甘味料を使うのがありかもしれません。