ダイエットは心理的影響が大きい
「ダイエットは心理的影響が大きい」というのは良く知られている話で、たとえば「減量の成果を記録する」というシンプルな方法だけでも結構な効果があることがわかっています(ソース)。
単に、「カロリーを減らそう」と言われても辛いだけなので、心理的なテクニックは絶対に必要なわけです。
そういう状況の中、2018年に「食べる直前の考え方を少し変えるだけで痩せる!」というデータ(ソース)が出ていて参考になります。
食べる前に、自分の健康への影響を考える
これはエバーハルト・カール大学の実験で、肥満体の男女17人と、標準体系の男女17人を対象にしたものです。
実験は、全員に対して「ランチビュッフェの前に”あること”を考えてください」と指示したそうです。
具体的には、
- その食品を食べたら、自分の健康にどんな影響があるだろうか?
- その食品を食べたら、どれぐらい美味しいだろうか?
- その食品を食べたら、夕食までお腹いっぱいでいられるだろうか?
の3パターンの中からランダムで考えてもらいました。
実験では「コントロール群」もあって、こちらには「何も考えずにランチを食べてください」と指示してあります。
その後、みんながどのようにランチの食事を選んだかをチェックしたところ、
- 「健康」について考えた参加者は、もっともカロリーが低い食事を選んでいた!(体型による違いはなし)
- 「美味しさ」について考えた場合、肥満体の人ほど高カロリーな食事を選びやすかった!
- 「夕食までの満腹感」について考えた場合、体型にかかわらず全員の食事量が増えた!
ということで、納得できる結果が出ています。
食べる前にちょっと健康について考えれば大丈夫なので、とても手軽な方法じゃないでしょうか。
さらに、左の前頭前皮質が活性化
さらに、この研究でおもしろいのは、ランチの際にみんなの脳をスキャンした結果が、
「健康」について考えた参加者は、左の前頭前皮質が活性化していた!
だったそうです。
ここはセルフコントロール能力に関係しているエリアで、要は少し健康を意識するだけでちゃんと自制心は働くようになるってことです。
研究チームによれば、
” 食事前にどのようなマインドセットを持つかは、食事の選択に大きな影響を与え、それによって肥満の悪循環を起こす。
食事がもたらす「喜び」に集中してしまうと、自然と食事の量が増え、脳も食事から得られる快楽に反応しやすくなる。逆に、満腹感への反応は弱くなっていく。”
とのことです。
つまり、食事の直前にどのような「意識」を持つかが、実はカロリーの摂取量にかなり影響を与えてるんだ、ということです。
ですから、これから外食をするときは、メニューを見て、
これを食べたら自分の健康はどうかな?
と少しだけ考える時間を持つだけで自然と健康的な食事ができてダイエットになるので、実践してみてもいいですね。