何もやる気が起こらない精神疲労に立ち向かうには?

精神疲労は思ったよりもやばい?

メンタルが疲れると運動のパフォーマンスが落ちるということは、なんとなく理解してると思います。

頭を使う仕事でぐったり疲れたら、そもそも運動なんてやる気がしませんから。

ですが、「精神疲労と運動」に関する研究が増えていて(ソース)、思った以上にメンタルの疲れは良くないのが分かっています。

たとえばウェールズ大学が16人のサイクリストを対象にした実験(ソース)だと、参加者を2つのグループにわけて、

  1. 90分ほどコンピューターで頭を使う作業をする
  2. 90分ほど自然のドキュメンタリー映像を見る

ということをやってもらいました。

その後、エアロバイクをこいでもらったら、頭脳作業をしたグループは「いつもより辛い!」と言い出す確率が高くなり、ドキュメンタリーグループより15%も早くギブアップしたそうです。

90分の精神疲労のダメージはボックスジャンプ100回分

この「15%の疲労感」ってのがどれほどパフォーマンスの低下につながってるのかと言えば、

約35センチの箱の上に100回ジャンプで飛び乗るのと同じぐらいの疲労感

なのだそうです。これは結構つらいですね。

本題についてですが、2018年に出た「精神疲労に立ち向かうにはどうすればいいのか?」というレビューが参考になると思います(ソース)。

精神疲労はなぜ起きるのか?

これはキャンベラ大学が行ったレビューで、過去に行われた精神疲労と運動パフォーマンス(おもに持久系のエクササイズ)に関するデータをまとめたものです。

第一に、「精神疲労ってどうしてで起きるのか?」という問題については、

  1. 頭を使う作業をすると脳内でブドウ糖が燃える
  2. これがアデノシンの分泌を促進する
  3. アデノシンがドーパミンの分泌をブロックする
  4. モチベーションが下がる!

といった流れになっています。

アデノシンは疲労物質で、適度にモチベーションを落として人体を休ませる働きを持っています。

ずーっと頭を使ってると疲労物質がたまっていっってしまうわけです。

精神疲労に立ち向かう4つの戦略

精神疲労を癒すにはアデノシンをどうにかするしかないのですが、ここで取れる対策は4つあります。

具体的には、

  • カフェイン摂取:カフェインは一時的にアデノシンをブロックする働きがありますが、一方使いすぎると耐性ができてしまい、逆に疲労感が増してしまう諸刃の剣です。

    効き目には個人差もあるので、うまく使いこなすのは意外と難しいかもしれません。

  • そもそも本番の前に頭を使わない:これは当然ですが、とりあえず大事なことの前には瞑想でもしてアデノシンの増加を抑えてしまう作戦です。
  • 逆に激しい運動をする:これはちょっと面白いのですが、どうもスプリントぐらい負荷が高い運動であればアデノシンの増加を一時的にやり過ごすことができるそうです。

    研究によれば、ジョギングレベルの運動だと精神疲労には勝てないので、バーピーやHIITのような運動を試すのが良いとのことです。

    食欲抑制からアンチエイジングまでHIITは素晴らしい

  • 普段から小さな精神疲労を味わっておく:これは日ごろの心がけですが、日常的に細かく精神疲労を味わっておけば、頭脳がどんどんアデノシンに強くなっていくみたいです。

    筋トレと同じで、使えば使うほど脳も疲れにくくなってくわけです。ですから、1日に1回は「徹底的に頭脳を追い込む時間」みたいなのを持っておくといいかもしれません。

    それは認知パズルみたいなものでもいいですし、普通に勉強で難問を解いてみるのもありかもしれません。

という感じになっています。

とりあえず日ごろから「頭脳を酷使する時間帯」みたいなのは設定して脳をアデノシンに強くしつつ、それでも精神疲労を超える必要があれば激しい運動をしてみると良いということですね。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *