うつになると体調が崩れるのはなぜ?
「心と体は一つである」と言われるように、メンタルの低下が体にも悪影響をおよぼすケースはよくあるわけです。
気分が沈んだら、なんとなく風邪を引きやすくなったとかの経験は誰にでもあるかと思います。
そこで、「なんで鬱になると体を壊すの?」という問題を調査した論文(ソース)があります。
これはグラナダ大学の研究で、うつと病気の関係を調べた29件の論文から、3900人分のデータをまとめたものです。
「鬱は体にどんな影響をおよぼすのか?」という問題を徹底的に調べたメタ分析になってます。
うつは早期死亡率をあげる
まずは鬱にともなって発症しがちな病気については、
- 発がん率がアップ
- 心疾患にもかかりやすくなる
- うつじゃないグループと比べて早期死亡率もアップ
となっています。
これは従来の研究でも言われてきたとおりですが、なにが引き金となって病気が発生するのかという点をチェックしたのが、今回のデータのポイントです。
うつは体内の酸化ストレスをあげる
そこで分かったことは、
- うつの人はとにかく細胞の酸化ダメージが大きい
- 酸化ストレスは、体が有害な物質を排出する能力が低下するせいで起きる
- うつになると、体内の亜鉛や尿酸のレベルがやたら下がる(どちらも重要な抗酸化物質なので、細胞の酸化を防ぐために消費されたと思われる)
- しかし、一般的なうつ治療(認知行動療法とか抗うつ剤とか)を行うと、細胞の酸化ストレスは明らかに低下していく
などとなっています。
研究者によれば、
”うつ病の悪影響には、酸化ストレスが重要な役割を果たしている。うつ病の治療が効くのは、酸化ストレスを改善しているからかもしれない。”
とのことです。 「鬱病の人は体内の炎症が進んでいる」ってデータ(ソース)と、かなり近い結論になってます。
まとめ
ポイントをまとめると、
- うつ病はたんなるメンタルの不調ではなく、全身性の疾患として考えたほうがいい
- 一般的な治療と並行して「炎症対策」と「酸化対策」もするのがうつ病対策になる
という感じになります。