お金は人のために使うと幸せになれるという記事を以前に書きましたが、
アダム・グラントの「ギブ・アンド・テイク」にも「他人には親切にしなさい」という昔ながらの道徳が、結局は自分の幸福度を上げて長期的に成功するための科学的に正しい方法である!」と説いています。
今回は、本書のなかから正しく人助けをするために注意したい4箇条をまとめていきます。
1:自分を犠牲にしてまで助けない
” 自分を犠牲にしてまで他人を助けようとすると、ストレスで健康を損なう可能性が高い。
ある研究によれば、仕事で他人の手助けばかりしている人は、最終的に負担に耐え切れなくなってワークライフバランスが崩壊する確率が高かった。”
これは結婚生活でも同じで、相手の欲求を満たそうとばかりしていると、半年でうつ状態におちいりやすくなったそうです。
2:助けるときは一気にやる
一般的には、運動でも勉強でも毎日ちょっとずつやるほうがよいのですが、人助けに関しては別でまとまった時間を取ってやる方が良いようです。
” ソニア・リュボミアスキー(ポジティブ・サイコロジースト)によれば、1日1回ずつコツコツ人助けをした人よりも、週1日だけ5回の人助けをまとめたやった人のほうが幸福度は高くなった。
毎日少しずつ人助けをすると、それぞれの人助けのインパクトが薄くなってしまうのが原因らしい。”
3:人助けは1年に100時間
2000人のオーストラリア人を対象に行った研究では、年に800時間のボランティア活動を行った人よりも、年に100時間だけボランティア活動をした人のほうが幸福度は高かったそうです。
その他の追試でも、この「100時間ルール」こそがベストという結果が出ているとのことです。
1年に100時間というのは1週間に2時間を人助けに使えばOKということなので、かなり敷居は低くなりますね。
4:自分にとって意味のある人助けをする
心理学者のネッタ・ワインスタインの研究では、いやいやながら人助けをした場合は幸福度アップの効果は消えてしまうとのことです。
せっかく人助けをするなら、自分にとって意味があるか、単純にやってて楽しい作業を選ぶほうが皆んな幸せになってWin-Winということです。
この感覚は人によって違うので、ボランティア活動でも親孝行でも大掃除でも、自分が好きな行動を選択するのが大事ということですね。
まとめると、
- 人助けをすると、自分の幸福度は上がるし健康にも良いしでいいことずくめ。これは科学的に立証された事実です。
- ただし、自分を犠牲にしてまで人助けをするのは逆効果。
- もっとも効果が高い人助けの時間は、年に100時間。つまり週に2時間をさけば大丈夫です。
- 週に2時間の人助けは、1日10分ずつ行うよりも1日2時間まとめてやったほうが効果は高い。
- 人助けはあくまで「自分がやりたいからやる」のがベスト。
といった感じになります。
要は「自分の好きな人助けを週に2時間まとめてやる!」のが一番いいわけです。
これはぜひ生活に取り入れたいところですね。