ちょっと前に出版された、慶応大学ヘルスサイエンスラボの研究(ソース)をベースにした本で、このなかに出てくる慶応義塾大学式 最新科学に基づくアンチエイジング10カ条が健康の基本を手際よくまとめてあります。
1.ポジティブであること
幸福度が高い人ほど寿命も長い傾向にあります。
1739人の男女を10年間追跡した調査では、ポジティブのレベルが1段階あがるにつれ心臓病のリスクが22%ずつ減少したそうです。
ネガティブな人にくらべてポジティブな人はリラックスするのが上手なので、ストレスからの立ち直りが早いのが原因ということです。
メンタルが変わるだけで、心臓病のリスクが2割も減るのはすごいことですね。
2.社交的であること
以前記事にしたように孤独はタバコより不健康ということです。
孤独な人は、動作全般が衰えやすくて死亡率も高く、タバコのほか、飲み過ぎや運動不足よりも命を縮める要素になるデータがあります。
では、どれぐらい人と話をすればよいかというと、なんと6時間以上!とのこと。 自営業やお家で仕事している人にとってはハードル高いですね。
会話の相手は家族でも友人でも同僚でもOKですが、その相手が不幸だと、こちらの幸福度は7%下がってしまうので、できるだけポジティブで幸福そうな人とつきあうのがよいようです。
3.良質の睡眠
睡眠不足が体に悪いのは常識ですが、ある調査では、睡眠を制限すると、空腹時血糖値が8%、食後血糖値が14%も増えたということが分かってます。
睡眠不足だと人嫌いになりやすいということも分かってるので、2の社交的なることができなくなりますね。
不規則な生活で代謝が乱れると、太る原因になるうえに、糖尿病にかかる可能性も上がるということですね。
人間の体内時計は、朝日と食事でリセットされるので、決まった時間に起きて食事をとるのが大事です。
メラトニンは睡眠の質を上げるだけでなく他にもさまざまなメリットがあるのでおすすめです。
4.空腹を感じて食べ腹八分目に
空腹状態がある程度続くと、ゴミ細胞を綺麗にしてくれる「オートファジー」が始まり、若々しさを維持することができます。
だらだら食べたりお腹が空いてないのにお昼だから、朝だから食べるのでなく、満腹と空腹のメリハリをつけるのがポイントです。
夜8時までに食べて翌日のお昼まで食べないようなプチ断食もいいと思います。
5.血糖値を急激に上昇させない。
血糖値の上昇は、老化と肥満の大きな原因になります。
糖類が多い食品を食べると血糖値が急上昇し、体と脳が疲れきって老化と肥満を促進させます。
脳のエネルギーが急に増えたり減ったりするので、いらいらや鬱の原因にもなります。
そんな事態を防ぐには、食べ方を工夫することです。
食物繊維やオリーブオイル、酢という血糖値を上げにくい食材(サラダ等)を食べてから、米やパンを食べるようにするだけで、血糖値の上昇度は2倍も低くなります。
6.レインボーダイエット
毎日の食事でとる食材は、できるだけ「色とりどり」を目指すのがポイントです。
色素成分が豊富な野菜と果物を多種類食べる「レインボーダイエット」がおすすめです。
ポリフェノール系とカロテノイド系は役割が違うので、両方摂ったほうがよいです。色が違う食べ物を組み合わせれば大丈夫かと思います。
7.肉控えめにして魚を多めに
腸は健康維持にもっとも重要な器官です。
腸がいいと、肌にもいいし、肥満にもなりづらいし、ストレスもやわらげてくれるしでいいことが一杯です。
肥満や糖尿病患者の腸に多い細菌が特定されつつあり、高カロリー食を3日続けただけでも「肥満菌」が増えることがわかってきたようです。
ですから脂肪の多い肉は控えて魚の不飽和脂肪酸を摂るのが大事です。
これに加えて、海藻類に多い水溶性食物繊維をとると、肝臓で作られた胆汁酸が肥満を防止してくれます。
8.一日15分以上の運動を
健康のためには適度な運動が基本です。
では適度ってどれくらいなのか?という話ですが、2011年の研究によれば、1日15分の軽い運動をするだけで寿命が3年のびることが確認されています。
「軽めの運動」は、ウォーキングやスロージョギングで大丈夫です。
運動時間が15分増えるごとに死亡リスクが4%ずつ低くなり、運動量が1日100分を超したところで効果が頭打ちになるので、100分以上の有酸素運動はだめってことですね。
9.軽い筋トレをして体のエネルギー代謝をキープ
ウォーキングなどの「適度な運動」は、いったん体が慣れてしまうと、運動効果や幸福度はそれ以上、上がっていかなくなります。
さらに幸福度を高めるには、ちょっとだけしんどい運動に挑戦するといいらしいです。
あまりに激しい運動だと老化の原因になる活性酸素が出ますが、そこまでいかない強さの運動なら、体内の抗酸化酵素が活性化されてプラスの効果が出るということです。
“ちょっとキツめ”の基準は書かれてませんがHIITで「ちょっと息が上がる」ぐらいを目指すといいのではないかと思います。
10.何事も適度が効果的
有害な物質が少しだけ体内にあると、それに対抗して体の活性が高まるのが「ホルミシス効果」です。
運動不足の人が軽いエクササイズで活性酸素を発生させると、逆に体内の抗酸化力が上がって健康になりやすいということです。
一方で、いくら運動が体にいいからといっても、激しいエクササイズをしすぎると、ある地点から老化が進むようになるので注意が必要です。
自分の体の反応を見つつ、自分にとっての適量を探すのが大事です。
まとめると、
アンチエイジングのための10か条ですが、ごくごく当たり前のことですね。これらをすべてかなえるのは大変ですが、すこしづつでも努力していきたいところです。