人間の体は自然に囲まれた環境のほうが正常に動いてくれるのは間違いなく、
というデータが多く出ています。
バイオフィリア仮説(人間は生まれつき動植物への愛情を持っている)に有利な証拠が多くそろいつつあります。
2016年に出たデータ(ソース)では、「自然の加工レベルも大事である」という結論になっています。
これはカンタベリー大の研究者による実験で、「ブルースペース」の心理効果を調べたものです。
ブルースペースは水が豊富な環境のことで、小さな池や川がメンタルにあたえる影響をチェックしたわけです。
調査対象はニュージーランドのウェリントンで暮らす住民で、全員の住まいの環境とメンタルヘルスを調べたうえで、年齢や収入などの変数を調整しました。
で、研究者によれば、
” 周囲にブルースペースが多い人ほど心理的な苦悩が少ないという傾向がはっきりと出た。
不思議なことに、緑が多い「グリーンスペース」には同じような傾向が出なかった。”
という結果でした。
とにかく周囲に水が多くなるほどメンタルは健康で、不安や悩みにも強くなっていくようです。
グリーンスペースに良い結果が出なかったのは従来のデータと矛盾するようですが、研究者は以下のような解釈をしております。
” ブルースペースは自然のままであるケースが多い。いっぽうでグリーンスペースには、天然の森にくわえて運動場や公園のように人工的に作られた場所も多くふくまれる。”
” おそらく天然の森だけに限定すれば、また結果は変わってくるだろう。”
調査が行われたウェリントンは太平洋に囲まれているので、手つかずのブルースペースが多いので、そのぶんだけグリーンスペースの効果が薄くなってしまったのでしょう。
ということで、加工食品は栄養が少なくなってしまうように、「加工自然」もメリットが減ってしまう可能性が大きいということです。
どちらも加工度が少ないほど良いということになります。
とはいえ、栄養が減ったカット野菜(ソース)でも食べないよりはましなのと同じく、デスクの上に小さな観葉植物を置くだけでもメリットはあるので、少しでも周囲に自然を取り入れておくのが良いですね。