リーキーガットは、いわゆる、腸壁に穴が開いて、体内に毒素が入り込んでしまう状態で、万病の元となります。
人間の腸は外敵から身を守るバリアなので、腸が破れると一気に全身に炎症が起きてしまいます。その結果、疲労、謎の痛み、頭痛といった不調につながっていくわけです。
その原因には色々あるのですが、加工食品とか大気汚染などがよく言われてます。
とりあえず、体に悪そうなものはすべて腸にも悪いと考えてみたらいいと思います。
2018年に出た論文(ソース)では、「カップルの不仲もリーキーガットの原因である」という結論になっていて、新しい原因と言えそうです。
これはオハイオ州立大学の研究で、研究者によれば、
”私たちは、日々の男女間のコミュニケーションの不和が腸内の変化をもたらし、ひいては炎症と病気の発生につながるのではないかと考えた。”
ということで、いまのパートナーと仲が悪いと腸に穴が開くのでは?と考えたわけです。
新しいアプローチですが、ストレスでリーキーガットが起きるのは知られているので、十分にあり得る話だと言えます。
実験は43組の夫婦が対象で、少なくとも3年以上の付き合いがあるカップルを集めました。年齢層は24〜61歳の範囲になっています。
で、実験の内容は、
- カップルたちに「最近どんなケンカをしたか?」について20分ほど話し合ってもらう
- カップルの会話を観察して、2人のあいだに「どれぐらいの悪意や敵意があるか?」を判断
- 全員に血液検査を行って、話し合いの前後の状態とくらべる
という感じです。
ケンカの内容は金銭トラブルから肉親の介護問題までさまざまだったようで、同様に2人の仲にも様々なレベルがありました。
その結果は、
- 仲が悪いカップルほどケンカの後に全身の炎症が増加していた
- 具体的には、仲が悪いカップルはリポ多糖結合タンパク質の量が多かった
となっています。
リポ多糖結合タンパク質が多いということは血中にバクテリアが増えてるという意味で、かなりの確率でリーキーガットも起きてると考えて良いです。
というか、20分ケンカしただけで全身が炎症するってのは、なかなか怖い結果と言えますね。
ついでに、この傾向は「過去にうつ病を患ったことがある人」ほど高かったそうで、こちらも考えられる結果と言えます。
とにかく男女の対人ストレスが全身に炎症を起こすわけです。
研究者によれば、
” うつ病と男女間の不仲は、事態を激しく悪化させる。さらに、リーキーガットが不調を悪化させることで、よりメンタルも悪化していく。”
ということで、腸の健康が悪化することでメンタルにも大きい影響があるようです。
一般に歳をとるほど体内の炎症は増える傾向にあるので、この問題は高齢者のほうが大きく影響を受けると思います。
年齢を経たらできるだけ安定した夫婦仲でありたいですね。
リーキーガット対策には健康的な食事と運動が大事なのですが、対人関係の改善も非常に重要になるようです。
今回の調査はカップルの関係についてだけでしたが、おそらく嫌な上司や困った肉親などもリーキーガットの原因になるかもしれません。
腸の健康のためには人間関係の改善も必要なようです。