昨日も書きましたが、有酸素運動は軽いウォーキングでも十分です。
通勤時の駅までのウォーキングや床の拭き掃除なんかも立派な身体活動なので、エクササイズとしてカウントして大丈夫というのが最近の考え方です。
そうは言っても、いままでまったく体を動かしてなかった人は、超軽い運動の量を増やすのも意外と難しかったりします。
その原因としては、たんに習慣化されてないってのももちろんあります。
2020年に発表されたデータ(ソース)は、運動しているかどうかの認識について調べていて面白いです。
これはコンスタンツ大学などの調査で、長期の健康調査に参加している男女605人のデータを分析したものです。参加者には
- 直近の1週間でどれぐらい身体活動をしたかを質問
- 6カ月後に、身体活動のレベルにどれぐらい変化があったかを質問
- 60分のサイクリングテストで客観的な体力を測定
などをしてもらいました。
主観的に「私は運動をしている!」と感じている人と、「なかなか運動できなくて」と感じている人の間にはどんな違いがあるのかを調べたわけです。
その結果は、
- 6カ月後に「私は運動をするようになった」と答えた人は、ランニングなど激しい運動の量が週に約52分〜82分ぐらい増えていた。そのおかげでちゃんと体力もついていた
- ただし、「私は運動をするようになった!」と答えた人は、中等度の活動(ジョギングとか早歩きとか)の量は増えていなかった
だったそうです。つまり、
- 多くの人はかなり激しい運動をしないことには、主観的に「自分は運動をした!」と思いづらい
ということです。
実際にはそこそこの運動をしてたとしても、自分が「これはしんどい」と思えるレベルをこなさないと、「私はエクササイズをしている」って感覚が生まれないっていうことですね。
中程度の活動でこう感じるので、床の拭き掃除や散歩の量を増やしたところで、「やってる感」は生まれにくいかもしれません。
研究チームによれば、
” 今回の研究結果によると、多くの人は、軽度な身体活動を効果的なものだとは認識していなかった。
そのため、運動が健康に良いことは誰でも知っているにもかかわらず、十分なモチベーションを得られていない可能性がある。”
とのことです。
普段から、ちゃんと活動量があるのに、「自分なんて運動してないですから」と思っているってことですね。もったいない話です。
ただし、チームは以下のことも言っていて、
” この結果は、長期的に運動プログラムを続けられない人が多い理由を説明するのにも役立つかもしれない。
私たちは、中程度の身体活動がもたらすメリットを無視してしまうのは、少量の身体活動に気づくのが難しいからかもしれまない。”
本当にこれが原因ならば、
- 「どんなに少量の活動でも健康には意味がある」ということを認識する
- その上で、意識的に日常的な活動の量を増やす
という2つのポイントを押さえておけば、この問題を解決できるのではないでしょうか?
とにかく「どんな少しの運動でも意味はある」と思うのが、運動習慣を身につける第一歩かもしれません。