体重を減らすにはトータルの摂取カロリーを減らすしかないのは当然のことですよね。
一部にはカロリーは重要だみたいな話もありますが、代謝の変化で同じカロリーでも太りやすさは変わったりします(ソース)。
で、ここで意外と思われないのが、「排便によるカロリー消費」の影響です。
人間の活動はどんなものでもカロリーを消費するので(普通に暮らししてもカロリーは消費される)、当然ながら排便でもカロリーは消費されるわけです。
2020年に出たレビュー(ソース)では、過去に行われた「排便と消費カロリー」に関するデータを集めて、「排便ってどれぐらい体型の維持に役立つのか?」というポイントをチェックしています。
このレビューから分かったことは、
- 人間は平均して摂取カロリーの5%のカロリーを排泄物から失ってるが、個人によって2~9%のばらつきがある(ソース)
- 肥満の人を対象にしたテスト(ソース)では、過食時には6%、カロリー制限時には9%のカロリーが排便で消費されていた。
ただし、やはり個人差は大きくて、ある被験者は80kcalしか失われなかったのに対し、別の被験者は500kcalもの損失を示した。
なかには、砂糖入りのソーダ水500ml分のエネルギー、212kcalぐらいを排便で失う人もいた
- また別のデータ(ソース)では、排泄によりカロリー消費量は全体の5.2%から20%に広がっていた
みたいになってて、激しい個人差が確認されてます。
この知見をベースに研究チームは、排便の消費カロリーが少ない人を「浪費家」、消費カロリーが多い人を「倹約家」と名づけています。
以上のことから、研究チームは「排泄の消費カロリーは体脂肪の減少に役立つのでは?」みたいな説を考えています。
確かに、80kcalと500kcalもの差があるなら、長期的な体型に大きな違いが出てもおかしくはないです。
ここにNEAT(普通に暮らしてて消費されるカロリー)の違いも組み合わせたら、1日の消費カロリーに800kcal近い差が出る可能性もありそうです。
ちなみにこの仮説には関連するデータがあって、
ある実験(ソース)では、動物にポリフェノールを補給させたところ排泄の消費カロリーが増えて、高脂肪食でも肥満しづらくなったということです。
また、オリスタット(肥満治療薬)のような(ソース)排泄の消費カロリーを増やす働きがある薬を使ったテストでは、人間でもそこそこの体重減少が確認されたそうです。
もちろん排泄カロリーを増やせば痩せるというわけではないですが、消費カロリーを増やすように心がけるのは悪いことじゃないと思います。
では、今の時点でできることは(ソース)、
- 加工食品は排泄エネルギーを減らすので、できるだけ減らす
- とにかく食物繊維の摂取量を増やして排便量を増やす
- 野菜とフルーツを食べてポリフェノールなどを増やす
というポイントが有効じゃないかという感じです。
このブログでよく書いている、加工食品を避けて食物繊維を食べて、野菜とフルーツを増やそうということは、排泄のエネルギー量にも影響を与えるってことです。