以前部分やせは可能なのかという記事を書きましたが、ほぼ無理という結論でした。
つまり、
- どんなに集中的に特定のパーツ、腹とかお尻を鍛えても、全身の脂肪はほぼ均等に減る
- そのため、どうあがいても特定の部分だけをやせさせるのは無理
- おとなしく全身の脂肪を落としていきましょう
という感じです。
おそらく、心あるトレーナーであれば、みんなこういう指導をするのではないでしょうか。
が、ここで重要なのは、「全身の脂肪はほぼ均等に減る」の部分です。
確かに、特定の体脂肪だけ速く減ることはないのですが、いっぽうで他の部位よりも「減りにくい体脂肪」があるのも事実です。
たとえば、女性だったら太ももやお尻とか、男性だったら腹まわりとかです。
ダイエットをしていても、なぜかうまく体脂肪が減っていかない部分なら存在するわけです。いわゆる頑固な脂肪ってことですね。
頑固な脂肪が存在する2つの理由
その原因には様々ですが、スポーツ栄養学の権威であるライル・マクドナルド博士によると、以下がその理由です。
1.頑固な脂肪は血流が悪い
ガンコな脂肪は、だいたい他のエリアにくらべて血流が悪い傾向があります。
血のめぐりが良くないと、せっかく分解した脂肪酸を血管に送りこむことができず、エネルギーとして燃やせなくなるということです。
つまり、がんばってカロリー制限をしたとしても、分解された脂肪は、もっと血流がいいエリア、内臓脂肪とかから優先して使われていきます。
その結果、血流のめぐりが悪い太ももやお尻は、後回しにされるわけです。
2.頑固な脂肪はそもそも燃えにくい
まず前提として、人間の脂肪細胞には、アドレナリンというホルモンに反応するセンサーがついています。
このセンサーがアドレナリンに反応すると、脂肪が分解されて細胞の外に出されます。
アドレナリンに反応するセンサーは、おもにアルファ受容体とベータ受容体の2つがあって、
アルファ:脂肪が燃えるのを止める
ベータ:脂肪を燃やしてくれる
という働きをしています。
頑固な脂肪には、おもにアルファ受容体が一杯あり、逆にベータ受容体はまばらに散らばってるだけです。
ということで、脂肪の減り方に差がつくのも当然ですね。
頑固な脂肪を燃やすには?
つまり、
- 特定の脂肪をスピーディに燃やす「部分やせ」は無理
- しかし、もともと燃えにくい「頑固な脂肪」を燃えやすくするのは可能!
ということです。
ある意味「部分やせ」に近いとも言えますが、ちょっと違う感じですね。
以上のことをまとめると、
- 特定の筋肉だけを鍛えて、狙った部分の脂肪だけを減らすのはほぼ不可能です。いくら筋肉を鍛えても、そのそばにある脂肪にはほぼ影響が出ません。
- 筋トレをすると熱が生まれて体脂肪は燃えやすくなりますが、その影響はごく小さなものでしかないので、筋トレで部分やせを行うのはほぼ無理です。
- ただし、他よりも燃えにくい「頑固な脂肪」なら存在します。ガンコな脂肪は、おもに腹まわり、太もも、お尻などに多くあります。
となります。
では、頑固な脂肪を燃やすにはどうすればいいかといえば、上にあげた2つの原因を解決するのが良いです。
要するに、
- もっと血流をよくする
- アドレナリンを増やす
の2つが実現できればいいということになります。