座りっぱなしの弊害を相殺するにはどれだけ運動すればいいの?

「座りっぱなしは体に悪い!」というデータは多くあって、以前喫煙と同じくらい座りっぱなしは良くないという記事も書いています。

喫煙と同等なくらい体に悪いこと6つとは?

  • 座りっぱなしの人は癌リスクが高い (ソース
  • 座る時間が長くなるほど不安を感じやすくなる (ソース

などのデータで体に悪いという結果が出ています。

イギリス政府も対策のガイドラインを出してるぐらいですし、毎日座りっぱなしで仕事しているような心当たりがある方は気をつける必要があります。

ここで問題になるのが「座りすぎがよくないのはわかったけど、それを相殺するにはどれぐらい運動すればいいのか?」というポイントです。

エクササイズをすれば座りすぎの害も相殺できるのでは?って考え方はあるのですが、実際にどれぐらい体を動かせばいいのかは不明でした。

が、2020年に「座りすぎ問題をリカバーする最低の運動は?」という問題を調べてくれた良い研究(ソース)が出ていて、参考になります。

これはBJSM(British Journal of Sports Medicine )で発表されたメタ分析で、先行研究から4万4370 人の参加者を含む9つのデータをまとめています。

だいたいの調査では参加者にフィットネストラッカーを着けてもらい、1日の運動量と死亡リスクの関係を調べた内容になっています。

分析の結果は、

1日あたり約30~40分の中~強度の身体活動を行うことで、座りっぱなしの弊害を相殺できる!

だったそうです。

もちろんそれ以下の運動やスタンディングデスクなどでも意味はあるんだけど、死亡リスクを相殺するには1日あたり約30~40分の運動が必要のようです。

研究チームによれば、

” 約30~40分間の中から高強度の身体活動を行っている人は、座り時間の少ない人と比べて、座り時間と死亡リスクの相関が変わらない。”

とのことで、まさにリスクが相殺されてます。

中から高強度の身体活動とは、例えば

  • サイクリング
  • 早めのウォーキング
  • ガーデニング
  • ジョギング

などで、早めのウォーキングを30分ぐらいなら、通勤までの道のりを速歩してみるとかで達成できそうな運動量だと思います。

ちなみに、WHOも「毎週75分から150分の中程度の強度の運動をしよう!」と昔から言ってますが、この見解とも整合性があります。

そうは言っても運動習慣がない人が1日30分と言われる戸惑うと思いますが、BJSMの編集者は「どんな身体活動でも運動としてカウントしてよい! とにかく座りっぱなしよりはましだから!」とも言っています。

つまり、

  • エレベーターの代わりに階段を駆け上がったり、
  • 通勤の道のりを速足で歩いたり、
  • いつもよりちょっと遠目の店へランチに出かけたり、

といったように、日々の活動で少しずつ運動量を増やすだけでも、座りすぎのダメージは確実に減るということです。

この時間にエクササイズすると決めるよりはハードルが下がっていいかもしれません。

ただし、この「座りすぎ」の研究はまだまだ発展途上な点もあり、

すべての年齢、性別、体型の人に同じ基準を当てはめていいかはよくわからない

そもそも「座りすぎ」の定義が研究ごとに違うケースも多い

という問題点などはまだ残っています。

それでも「1日あたり約30~40分の中~強度の身体活動」はある程度の指標になると思うので参考にしてみてください。

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